屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2014年1月29日
担当ガイド:菅文雄
【周辺状況】
■例年、一月中旬以降に降った雪は縄文杉(1300m)付近でも根雪になりますが、
今年は1月25日から暖かい日がつづき、縄文杉デッキ周辺の登山道には雪がありません。
登山者が少ないこの時期はフィトンチッドただよう森歩きがゆっくり楽しめますし、
静寂の中の縄文杉を独占することができるかもしれません。
(フィトンチッド:樹木などが発散する化学物質で、細菌などの微生物を抑制する作用を持っています)

縄文杉デッキ
今冬は荒川登山口までの県道、町道は珍しく積雪による通行規制が一度も出ていません。
屋久島では雪の量にかかわらず積雪があれば通行止めになります。ご注意を!

1月28日の宮之浦岳(縄文杉コースより遠望)
1月29日現在の日の出は7:11、日の入りは17:52です。
【コース状況】
●縄文杉コース(標高600~1300m)
1月28日 天気:快晴 縄文杉デッキの気温:8℃(12:00 標高約1300m) 風:無風 登山者数:33名
●白谷雲水峡 太鼓岩コース(標高600~1070m)
1月26日 天気:曇り 太鼓岩の気温:7℃(12:00 標高約1070m) 風:北西の風 登山者数:20名
●ヤクスギランド(標高1000m~)
1月27日 天気:快晴 入口の気温:3℃(9:00 標高約1000m) 風:無風 登山者数:68名
【登山道】
●縄文杉ルート
・2月28日まで、荒川登山口までの一般車車両乗り入れが可能です。
荒川登山口は駐車スペースが非常に少なく、場合によっては路上駐車をすることになります。
大型バスの乗り入れもあるため、通行の妨げにならないよう充分配慮して駐車して下さい。
また積雪、凍結などの場合は車両通行止めになることもあります。
屋久島の道路通行規制情報はこちら→
http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
・天候により、登山道の積雪、凍結の恐れがあります。積雪は数十cmに及ぶことがあります。
スノースパイクや軽アイゼンを用意しましょう。
・縄文杉の大枝の落下危険防止措置として、展望デッキの一部立ち入り制限を行っています。
またそれに伴い、デッキに付近にう回路が新設されています。詳しい情報についてはこちらで確認できます。→
九州森林管理局ホームページ http://www.rinya.maff.go.jp/kyusyu/
●縦走ルート
・積雪、凍結、暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。積雪は数mに及ぶことがあります。
初心者の安易な入山は控えて下さい。6本爪以上のアイゼン、ピッケル等、雪山装備必携です。
・現在、新高塚避難小屋の付帯トイレは使えなくなっているものがあります。携帯トイレで対応するようにしましょう。
【装備】
・標高1,000m以上では、雪山装備が必要です。積雪、凍結、悪天候にそなえ、縄文杉ルートでは、スパイクや軽アイゼン程度の滑り止め、ストック等、奥岳では6本爪以上のアイゼン、ピッケル等が必要です。
万が一のビバーク用装備もお忘れなく。
・縄文杉ルートでも気温5℃以下、奥岳ルートでは0℃以下になります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、暴風の装備をしっかりと用意して下さい。
・日照時間が短く、16時を過ぎると山中は薄暗くなってきます。天候によっては、更に暗くなるのが早いこともあります。屋久島での登山は想像以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・奥岳は気象の変化が激しいため、気象情報を確認の上、十分な装備をご準備ください。
・山中泊で利用する避難小屋が諸々の理由で入れない事もあります。必ずテントやツェルトを持参しましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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