雨の黒味岳2014年7月2日
担当ガイド:大木信介
梅雨の真っただ中、兵庫県からお越しのご夫婦と展望の山・黒味岳(1,831m)に行って参りました。
2年前に縄文杉ルートを歩かれたお二人、今回は白谷雲水峡、黒味岳、蛇之口滝というリピーターさんらしいチョイスでした。

残念ながら雨となりましたが、森は霧に包まれ、幻想的な雰囲気です。
雨覚悟でご来島されたお二人は屋久島らしい森の表情に大喜びでした。

淀川に到着。澄みきった清流とまわりの森が見事な調和です。
ここから急な登りが始まります。

スギやモミ、ツガの森歩きを楽しみます。

淀川から登ること約1時間半、小花之江河に到着しました。
やはりここも霧に包まれ、日本庭園のようでした。

日本最南端の高層湿原・花之江河に到着です。
足元をよくみると、小さなスミレを発見!コケスミレです。
コケスミレは屋久島の固有変種で、花之江河や小花之江河の木道にしゃがみ込むと、
ミズゴケのなかに径7mmほどの白い花を見つけることができます。

すぐ横にも屋久島の固有変種・ヒメコナスビが咲いていました。
屋久島の過酷な環境に適応して矮小化したものです。

花之江河から黒味岳までは約1時間です。
ここまでの歩きやすい登山道から本格的な山道に入ります。
ロープを使って岩場をよじ登る箇所が続きます。

森林限界を越えると、むき出しの花崗岩もたくさん出てきます。

山頂直下、雨風が強くなってきました。
天候はこれからさらに荒れる予報、登頂を急ぎます。

黒味岳山頂!残念ながら真っ白です!
花崗岩の大岩の上が山頂です。

強風で立つことが出来ず、とりあえず登頂の記念写真です。
この天候の中、山頂まで登れて満足です。
雨風がひどく、余韻に浸る間もなく下山しました。

花之江河まで下りると、ヤクシカたちがのんびりとお食事中でした。
風もなく、山頂とは別世界でした。

霧のなかにたたずむ「白骨樹」。
白骨樹は冬の大雪や台風の強風で枝を折られ、皮を剥がされた杉の木です。
立ち枯れているように見えますが、生きているものもあります。
その姿は屋久島の山岳部の厳しい環境を物語っています。

ふたたび霧の森を楽しみながらの下山となりました。

大きな木を下から見上げてみましょう。
足元ばかり見ていては感動を見逃してしまいます。

幽玄の森を堪能しています。

無事下山しました!
強風の稜線と霧深い森、変化に富んだ山の表情と屋久島の雨をしっかりと楽しめたお二人でした。

樹齢3000年の紀元杉に寄り道し、帰路につきました。
また是非屋久島にお越し下さい。
スタッフ一同お待ちしております。
ありがとうございました。
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