屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2014年7月30日
担当ガイド:駒野英昭
【周辺状況】
●梅雨明けした屋久島はいよいよ夏本番、なかなか雨も降らず、連日暑い日が続いています。それでも、縄文杉コースや白谷雲水峡などのコースは、直射日光の当たる場所も少なく、風が吹くとさわやかで涼しさを感じることもあります。ただ、もちろん暑い夏ですので、熱中症対策や水分補給は万全にしてください。
今の時期、山道を歩いていてよく驚かれるのが、コース上のあちこちにホタルが飛んでいることです。昼間からふわふわと飛んでいて、手を出すと手に止まることもあります。ただし、光って見えません。このホタルは「オバボタル」というホタルで、かすかに赤っぽい発光をしていますが、日中飛んでいる姿を見ても、まず光っているのはわかりません。(夜も光って見えることはないようです)姿を見て、夏の風情を感じてください。

オバホタル
また、あちこちで、セミの声が目立つようになりました。ふもとではクマゼミやニイニイゼミ、ツクツクボウシの声が、山のやや高所では、ヤクシマエゾゼミの「チーーーー」という、単調な声もよく聞こえます。鳥のさえずりも時折聞こえてきますが、耳をすませてみると、その中に、尺八のような、サイレンの音のような、不思議な音が聞こえることがあります。これは、「ズアカアオバト」というハトの鳴き声で、全身緑色でくちばしや目の周りは水色をしている、声も見た目も不思議な鳥です。森の色に溶け込んでいるので、姿を見るのはかなり難しいですが、「アオい鳥」ですから、見つければ幸せになれるかもしれませんね。

ズアカアオバト
7月30日現在の日の出は5:34、日の入は19:14です。
【コース状況】
●宮之浦岳コース(標高1936m)
7月25日 天気:晴のち曇 宮之浦岳山頂の気温:22℃(9:00)(標高1936m) 風:無風 登山者数:約30名
●縄文杉コース(標高600~1300m)
7月28日 天気:晴時々曇 縄文杉デッキの気温:23℃(11:00)(標高約1300m) 風:微風 登山者数:348名
●白谷雲水峡(標高600~1070m)
7月26日 天気:晴時々曇 太鼓岩の気温:26℃(13:00)(標高約1070m) 風:微風 登山者数:391名
【登山道】
●縄文杉ルート
・大雨などの場合は車両通行止めになることもあります。屋久島の道路通行規制情報はこちら→
http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)~荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。→
http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
・縄文杉の大枝の落下危険防止措置として、北側展望デッキ等の解体撤去工事が行われました。
デッキ付近にはう回路が設定されています。
詳しい情報についてはこちらで確認できます。→
九州森林管理局ホームページ http://www.rinya.maff.go.jp/kyusyu/
●縦走ルート
・宮之浦岳などの山岳部では天候によって急な冷え込みや強風などの可能性があります。ご注意ください。
・現在、新高塚避難小屋の付帯トイレは使えなくなっているものがあります。携帯トイレで対応するようにしましょう。
【装備】
・気象の変化に備え、衣類は速乾性素材、防水、防寒、防風の装備をしっかりと用意して下さい。
・屋久島での登山は想像以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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