屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2014年12月10日
担当ガイド:荒木宏介
【周辺状況】
●里と山の気温差が大きい屋久島では、冬期になると同じ島の中に南国と北国が同居する特異な光景を見ることができます。

島の里は、冬場でもハイビスカスやブーゲンビリアなど亜熱帯の植物の花が色鮮やかに咲く南国。
一方、標高1000m付近から2000m近い宮之浦岳などの高山帯は、寒波の影響で強い北西の風が吹くと氷点下となり、ヤクシマシャクナゲなどの高山植物が雪化粧をする北国同様の冬山になってしまいます。

今冬は12月に入りすでに2度降雪がみられ、6日は縄文杉周辺でも5cm程度の積雪がありました。
これから屋久島の冬山を安全に楽しんでいただくためには、防寒対策に加え、積雪対策として軽アイゼン、ストックなどが必需品です。
12月10日現在の日の出は7:04、日の入りは17:17です。
【コース状況】
●縄文杉コース(標高600~1300m)
12月8日 天気:曇り 縄文杉デッキの気温:11℃(12:00 標高約1300m) 風:無風 登山者数:25名
●白谷雲水峡(標高600~1070m)
12月9日 天気:曇り 太鼓岩の気温:10℃(標高約1050m) 風:北東の強風 登山者数:約100名
●太忠岳(標高1000~1497m)
12月7日 天気:晴れ 太忠岳の気温:4℃(標高約1497m) 風:北西の弱風 登山者数:12名
【登山道】
●12月1日より来年2月28日まで、荒川登山口までの一般車車両乗り入れが可能です。
荒川登山口は駐車スペースが非常に少なく、場合によっては路上駐車をすることになります。
大型バスの乗り入れもあるため、通行の妨げにならないよう充分配慮して駐車して下さい。
また積雪、凍結などの場合は車両通行止めになることもあります。
屋久島の道路通行規制情報はこちら→
http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
●天候により、登山道の積雪、凍結の恐れがあります。積雪は数十cmに及ぶことがあります。
スノースパイクや軽アイゼンを用意しましょう。
●縦走ルート
・積雪、凍結、暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。積雪は数mに及ぶことがあります。
初心者の安易な入山は控えて下さい。6本爪以上のアイゼン、ピッケル等、雪山装備必携です。
・現在、新高塚避難小屋の付帯トイレは使えなくなっているものがあります。携帯トイレで対応するようにしましょう。
【装備】
・標高1,000m以上では、雪山装備が必要です。積雪、凍結、悪天候にそなえ、縄文杉ルートでは、スパイクや軽アイゼン程度の滑り止め、、ストック等、奥岳では6本爪以上のアイゼン、ピッケル等は必要です。
万が一のビバーク用装備もお忘れなく。
・縄文杉ルートでも気温5℃以下、奥岳ルートでは0℃以下になります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、暴風の装備をしっかりと用意して下さい。
・日照時間が短く、16時を過ぎると山中は薄暗くなってきます。屋久島での登山は想像以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
スポンサーサイト
コメントの投稿