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2015年1月13日 屋久島山岳情報

屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」
2015年1月13日
担当ガイド:荒木宏介


【周辺状況】

 先週の屋久島の山間部は比較的安定したお天気が続きましたが、今週は冬型が続き、北西の風が強く吹き続けています。
冬型の気圧配置の時は宮之浦岳稜線や白谷雲水峡など、島の北部では風の影響や曇天となりますが、モッチョム岳など、島の南部では穏やかに晴れ渡ることが多くなります。
思いきって計画を変えてみるのも屋久島の冬の楽しみ方といえます。

 屋久島の里ではお正月7日の夕方、各集落で恒例の鬼火焚き(おにびたき)が行われました。

鬼火たき1
鬼火たき

鬼火焚きとは、正月用の飾りなどを集めて海岸や広場で焼く火祭りです。
柱の先に鬼の顔を描いた絵を付けていて、それを燃やし、鬼(悪霊)を追い払い、
健康を祈願するという意味がこめられています。

 「船行」という集落では、掲げた鬼の絵をめがけて弓矢を放ちます。このような作法は集落によって様々で、石を投げたりパチンコを撃ったり、はたまた鉄砲を撃つ集落もあります。
また「原」という集落では、『原ごちょう踊り』が鬼火焚きの前に港海岸に集まった人たちにも伝統の踊りが披露されます。

原集落の「原ごちょう踊り」
SAC_4673-2.jpg

SAC_4646-2.jpg

鬼火たき2


 屋久島には口永良部島を含めると26の集落があり、島内の同じ行事でありながら、祭りの内容や祝い唄の歌詞が集落によって少しずつ異なります。
それもその昔、地形の険しい屋久島にまだ道がなかった頃、他の集落へは船で渡ったため、同じ島でありながら集落同士の交流は少なかったそうです。
結果、こうした風習も集落ごとにそれぞれの伝わり方をしてきたのです。現在も集落によって方言や魚の呼び名までも違うから驚きです。
山登り以外の時間でこのような地方のイベントに参加してみるのも、旅の醍醐味ではないでしょうか。


1月13日現在の日の出は7:15、日の入りは17:32です。日照時間は10時間17分、早めの行動を心掛けましょう。


【コース状況】

●縄文杉コース(標高600~1300m)
1月12日 天気:晴れ 縄文杉デッキの気温:3℃(11:30 標高約1300m) 風:微風 積雪:なし 登山者数:26名
●白谷雲水峡(標高600~1070m)
1月8日 天気:晴れ 太鼓岩の気温:5℃(12:00 標高約1070m) 風:北西の強風 積雪:なし 登山者数:約60名
●愛子岳(標高1235m)
1月11日 天気:晴れ 山頂の気温:8℃(12:00 標高1235m) 風:北西の風 積雪:なし 登山者数:2名
●モッチョム岳(標高940m)
1月12日 天気:晴れ 山頂の気温:10℃(12:00 標高940m) 風:無風 積雪:なし 登山者数:9名


【登山道】

12月1日より来年2月28日まで、荒川登山口までの一般車車両乗り入れが可能です。
荒川登山口は駐車スペースが非常に少なく、場合によっては路上駐車をすることになります。
大型バスの乗り入れもあるため、通行の妨げにならないよう充分配慮して駐車して下さい。
また積雪、凍結などの場合は車両通行止めになることもあります。
屋久島の道路通行規制情報はこちら→
http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima

天候により、登山道の積雪、凍結の恐れがあります。積雪は数十cmに及ぶことがあります。
スノースパイクや軽アイゼンを用意しましょう。

(縦走ルート)
・積雪、凍結、暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。積雪は数mに及ぶことがあります。
 初心者の安易な入山は控えて下さい。6本爪以上のアイゼン、ピッケル等、雪山装備必携です。
・現在、新高塚避難小屋の付帯トイレは使えなくなっているものがあります。携帯トイレで対応するようにしましょう。


【装備】

・標高1,000m以上では、雪山装備が必要です。積雪、凍結、悪天候にそなえ、縄文杉ルートでは、スパイクや軽アイゼン程度の滑り止め、、ストック等、奥岳では6本爪以上のアイゼン、ピッケル等は必要です。
 万が一のビバーク用装備もお忘れなく。
・縄文杉ルートでも気温5℃以下、奥岳ルートでは0℃以下になります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、暴風の装備をしっかりと用意して下さい。
・日照時間が短く、16時を過ぎると山中は薄暗くなってきます。屋久島での登山は想像以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。


【注意】

・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。

※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。

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