屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2015年3月3日
担当ガイド:駒野英昭
【周辺状況】
3月に入り、標高の低いところから少しずつ芽吹きが始まっています。
これから屋久島は新緑の時期に入りますが、山を淡い緑色や深い緑色や赤い新芽がグラデーションのように染めていく様は圧巻です。
その活力となっているのが、「木の芽流し」と呼ばれる激しい雨です。
2月中旬~3月頃にかけて、屋久島では雨模様の日が多く、晴天も1日ぐらいしかもたないことが多いです。
ただ、植物にとっては、恵みの雨。
なんとも風流な呼び方をされるこの雨を経て、いよいよ春本番です。
低地では、イチゴの花が数多く見られるようになってきました。
リュウキュウイチゴは黄色い実を、オオバライチゴは赤い実を、それぞれ4~5月頃につけます。

オオバライチゴ

リュウキュウイチゴ
人も食べられますが、実がなる時期には、サルも器用に実をもいで食べているのを見かけます。
みんな、美味しいものには目がない、ということですね。
3月3日現在の日の出は6:43、日の入りは18:18です。
【コース状況】
●宮之浦岳(標高1936m)
2月27日 天気:曇り 山頂の気温:8℃(10:45) 風:北西の風 積雪:栗生岳より先の登山道で50㎝ 登山者数:3名
●縄文杉コース(標高600~1300m)
3月3日 天気:曇りのち雨 縄文杉デッキの気温:7℃(11:00 標高約1300m) 風:南の強風 登山者数:226名
●白谷雲水峡(標高600~1070m)
3月3日 天気:曇りのち雨 太鼓岩の気温:9℃(11:30 標高約1050m) 風:南の強風 登山者数:230名
【登山道】
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)~荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。
→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
また、積雪、凍結などの場合は車両通行止めになることもあります。
屋久島の道路通行規制情報はこちら→
http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
天候により、登山道の積雪、凍結の恐れがあります。積雪は数十㎝に及ぶことがあります。
(縦走ルート)
・積雪、凍結、暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。積雪は数mに及ぶことがあります。
初心者の安易な入山は控えて下さい。6本爪以上のアイゼン、ピッケル等、雪山装備必携です。
・現在、新高塚避難小屋の付帯トイレは使えなくなっているものがあります。携帯トイレで対応するようにしましょう。
【装備】
・標高1000m以上では、雪山装備が必要です。悪天候等に備え、縄文杉ルートでは、スパイクや軽アイゼン程度の滑り止め、ストック等、また奥岳では6本爪以上のアイゼン、ピッケル等が必要です。万が一のビバーク用装備もお忘れなく。
・縄文杉ルートでは気温5℃以下、奥岳ルートでは0℃以下になります。衣類は速乾用素材、防水、防寒、防風の装備をしっかりと用意して下さい。
・日照時間が短く、18時を過ぎると山中は薄暗くなってきます。屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライトは必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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