屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2015年3月11日
担当ガイド:大木信介
【周辺状況】
3月9日から10日にかけて、全国でも雪や強風で大荒れとなりました。屋久島も今シーズン一番の寒波に覆われ、真冬のような冷え込みとなりました。
宮之浦岳の主稜線では1300m付近より樹氷、水辺では霧氷も見られ、寒さを物語っていました。春は三寒四温で天候も変わりやすく、まだまだ油断は禁物です。

3月10日 永田歩道 標高1500m付近 霧氷
屋久島は現在「木の芽流し」と呼ばれる雨の季節ですが、雨が降っていても落胆しないで下さい。
雨は森に霧を降らせ、森を幻想的に装ってくれます。晴れた日にはない森の魅力をしっかりと楽しみたい季節です。

霧の森
霧の森を見上げ、連日の雨で元気いっぱいの苔たちを観察し、雨の森を楽しんでみて下さい。

スギゴケと雫
3月11日現在の日の出は6:33、日の入りは18:23です。
【コース状況】
●宮之浦岳(標高1936m)
3月9日 天気:雨 山頂の気温:4℃(9:40 標高1936m) 風:南西の強風 登山者数:10名
●縄文杉コース(標高600~1300m)
3月8日 天気:晴れ 縄文杉デッキの気温:8℃(12:00 標高約1300m) 風:無風 登山者数:196名
●白谷雲水峡(標高600~1070m)
3月10日 天気:曇り 太鼓岩の気温:-0.2℃(12:00 標高約1070m) 風:北西の強風 登山者数:230名
【登山道】
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)~荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。
→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
また、積雪、凍結などの場合は車両通行止めになることもあります。
屋久島の道路通行規制情報はこちら→
http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
3月とはいえ、天候により登山道の積雪、凍結の恐れがあります。積雪は数十㎝に及ぶことがあります。
(縦走ルート)
・積雪、凍結、暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。初心者の安易な入山は控えて下さい。
・現在、新高塚避難小屋の付帯トイレは使えなくなっているものがあります。携帯トイレで対応するようにしましょう。
【装備】
・標高1500m以上では、雪山装備が必要です。悪天候等に備え、縄文杉ルートでは、スパイクや軽アイゼン程度の滑り止め、奥岳では6本爪程度のアイゼンがあると安心です。万が一のビバーク用装備もお忘れなく。
・天候によっては縄文杉ルートでは気温5℃以下、奥岳ルートでは0℃以下になります。衣類は速乾用素材、防水、防寒、防風の装備をしっかりと用意して下さい。手袋の予備もお忘れなく。
・18時を過ぎると山中は薄暗くなってきます。屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライトは必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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