屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2015年7月8日
担当ガイド:伊藤仁久
【周辺状況】
今年の梅雨は特に雨の日が多く、6月の総雨量は1000ミリを超えました。島の南部の尾之間では平年の雨量の1.7倍、日照時間は平年の27%で
「梅雨の中休み」もない天候でした。
7月に入っても雨の日がつづき、4日は大雨警報が発令され縄文杉コースの登山バスが運休しました。
8日現在、日本の南海上には台風9号、10号、11号の3個の台風が発生し、今後の進路に注意が必要です。
長雨が続く里の沿道にはヒメヒオウギズイセンの濃いオレンジ色の花が咲き、夏の訪れを感じさせています。

ヒメヒオウギズイセン
白谷雲水峡に向かう林道沿いにはアブラギリがたくさんの実をつけています。

アブラギリ
縄文杉コースでは森林軌道沿いにリンゴツバキのリンゴのような実が目につきます。

リンゴツバキ
里山から標高600m付近では、サルの大好物のタブノキやウラジロマタタビなどが実っています。
タブノキは熱帯フルーツのアボカドと近縁の植物と言われ、口永良部島に生息するエラブオオコウモリも好んで食べるそうです。

タブノキ
ウラジロマタタビも同じマタタビ科のキウイフルーツと果肉はそっくりです。

ウラジロマタタビ
滋養豊かな果実は出産や子育ての時期の動物たちの貴重な栄養源になっています。
7月8日現在の日の出は5:22、日の入りは19:24です。
【コース状況】
●宮之浦岳(標高1936m)
7月6日 天気:雨 山頂の気温:16℃(11:00 標高1936m) 風:南西の風 登山者数:22名
●縄文杉コース(標高600~1300m)
7月7日 天気:曇り時々晴れ 縄文杉デッキの気温:20℃(11:30 標高約1300m) 風:南東の弱風 登山者数:175名
●白谷雲水峡(標高600~1070m)
7月7日 天気:曇り 太鼓岩の気温:21℃(11:00 標高約1070m) 風:微風 登山者数:約220名
【登山道】
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)~荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。
→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら→
http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
(縦走ルート)
・現在、新高塚避難小屋の使えなくなっていた付帯トイレは使用可能になりました。
【装備】
・縄文杉ルートでは天候によっては、気温が下がることもあります。衣類は速乾用素材、防水、防寒、防風の装備をしっかりと用意して下さい。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライトは必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
スポンサーサイト
コメントの投稿