屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2015年10月28日
担当ガイド:井手琢磨
【周辺状況】
10月も残りわずかとなり、気づけば屋久島の秋もすっかり深くなってきました。
屋久島の森は常緑樹が多数を占めているため、秋になっても山が真っ赤に染まることはありません。
しかしヤクシマオナガカエデなど幾つかの植物たちが所々茜色に色づいており、山の緑にアクセントを添えてくれています。

色づく縄文杉周辺の木々
また、秋は動物たちにとって恋の季節でもあります。
山に登っていると発情期の牡鹿が縄張りを主張する鳴き声が聞こえてきます。
突然聞こえる女性の悲鳴にも似た鳴き声なので、知らないとギョッとさせられるでしょう。
最近は白谷雲水峡付近で猿の群れに遭遇することが多く、ヤクザルの繁殖期は8月の終わりから1月の初めにかけてだと言われれています。赤くなった猿の顔とお尻が紅葉しているようでとてもチャーミングです。
先日は倒木の上で20頭ほどの群れが日向ぼっこをしていて、とても気持ちよさそうでした。

ヤクザルの群れ
登山者が近くを通ってもまるで気にしていない素振りでノミ取りをしてリラックスしています。
縄文杉登山道ではトロッコ道終点近くでキッコウハグマ(亀甲白熊)が咲いていました。
コケの上にひっそりと咲くとても小さな花です。

キッコウハグマ
この時期の登山は頭上のサザンカが目立ちますが、足元にもこのような可憐な花が咲いています。
10月28日現在の日の出は6:29、日の入りは17:34です。
【コース状況】
●宮之浦岳コース(標高1936m)
10月24日 天気:晴れ 気温:22℃(11:10 標高約1,936m) 風:微風 登山者数:45名
●縄文杉コース(標高600~1300m)
10月26日 天気:晴れ 縄文杉デッキの気温:16℃(11:30 標高約1,300m) 風:東南の微風 登山者数:172名
●白谷雲水峡(標高600~1070m)
10月26日 天気:晴れ 太鼓岩の気温:18℃(12:30 標高1,070m) 風:東南の風 登山者数:約420名
【登山道】
(縄文杉ルート)
・現在縄文杉ルートでは新しい展望デッキを作るための工事が進められています。工事に伴い、登山道の一部変更がありますので、現場の表示に従ってください。
既存デッキからはこれまでどおり縄文杉を見ることができます。工事期間は2016年3月31日までを予定しています。
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)~荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。
→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら→
http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
(縦走ルート)
・現在、新高塚避難小屋の付帯トイレは使用可能です。
【装備】
・標高や風雨など、天候によっては体感温度は低くなります。衣類は速乾用素材、防水、防寒、防風の装備をしっかりと用意して下さい。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライトは必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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