屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2015年11月17日
担当ガイド:駒野英昭
【周辺状況】
降り続いていた雨もようやく一段落し、15、16日には晴れ間が広がりました。16日は日中の最高気温が25℃まで上がり、暖かい一日となりましたが、麓では冬鳥のシロハラの姿が見られるようになり、着実に冬が近づいているのを感じます。
低山地では、リュウキュウルリミノキ(アカネ科)の白い花が見られるようになってきました。

リュウキュウルリミノキ

リュウキュウルリミノキの花
小さな花ですが、よく見ると筒状のきれいな花です。種子島、屋久島を分布の北限とする亜熱帯性の植物です。
縄文杉ルートのトロッコ道や、白谷雲水峡の登山道沿いでは、センリョウ(センリョウ科)の実が見られるようになってきました。
マンリョウ(ヤブコウジ科)も早いものは色がつき始めています。

マンリョウの実
センリョウは葉の縁に鋭い鋸歯があり、実が上向きにつくこと、マンリョウは波型の鋸歯で、実が下向きにつくことなどで区別ができます。また、屋久島では、センリョウの実は橙色に近いものが多く、マンリョウの実は濃い赤色になります。お正月の縁起物としてよく活けられる植物ですので、両方見つけると、来年はお金回りがよくなるかもしれません。少し早いですが、探してみてください。

センリョウの実
11月17日現在の日の出は6:45、日の入りは17:21です。
【コース状況】
●宮之浦岳(標高1936m)
11月15日 天気:曇のち晴 山頂の気温:12℃(11:30) 風:北西の風やや強し 登山者数:約50名
●縄文杉コース(標高600~1300m)
11月16日 天気:晴のち曇 縄文杉デッキの気温:17℃(12:00 標高約1300m) 風:無風 登山者数:193名
●白谷雲水峡(標高600~1070m)
11月17日 天気:曇のち雨 太鼓岩の気温:18℃(11:30 標高1050m) 風:無風 登山者数:約250名
【登山道】
(縄文杉ルート)
・縄文杉ルートでは、新しいデッキを作るための工事が進められています。工事に伴い、登山道の一部変更がありますので、現場の表示に従ってください。
既存デッキからはこれまで通り縄文杉を見ることができます。工事期間は2016年3月31日までを予定しています。
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)~荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。
→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら→
http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
・県道592号線・屋久島公園安房線は7月21日に発生した土砂崩れを撤去し、28日夕方より片側通行が可能になりました。
ヤクスギランド、紀元杉、淀川登山口へマイカーやレンタカーで向かう際はご協力お願い致します。
(縦走ルート)
・現在、新高塚避難小屋の付帯トイレは使用可能です。
【装備】
・標高や風雨など天候によっては体感温度は低くなります。衣類は速乾用素材、防水、防寒、防風の装備をしっかりと用意して下さい。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライトは必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
スポンサーサイト
コメントの投稿