屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2015年11月25日
担当ガイド:大木信介
【周辺状況】
11月最後の三連休、22日は約430名の登山者が縄文杉を訪れました。23日は約170名でした。屋久島はこれから本格的な冬を迎え、登山者も大幅に減ります。静かな森歩きがしたい方には最適の季節となります。
登山道ではあちこちにヤクシマツバキの花が落ちています。通常は1月から3月頃に花を咲かせますが、今年は早くも咲き始めてしまったようです。

ヤクシマツバキの花
ヤクシマツバキが正式な和名ですが、通常のツバキの倍以上の大きな実を付け、赤いリンゴのようにも見えるため「リンゴツバキ」の名でも親しまれています。
虫が少ない冬に咲き、鳥を媒介して花粉を運びますので、鳥が見つけやすいように花は赤と黄色の鮮やかな色です。
鳥は嗅覚が弱いため、ヤクシマツバキの花は香りがほとんどなく、横向きに咲くのも鳥がホバリングしながら蜜を吸いやすいようにといわれています。

横向きに咲くヤクシマツバキ
足元に落ちている花一つにも色々な物語がありますね。
11月は全国的に温かい日が続き、屋久島も10月上旬のような陽気が続きました。それも本日までかもしれません。
26日からの寒波南下に伴い、一気に冬の気候に突入しそうです。今後は山間部では降雪の可能性があります。

2015年3月11日の雪(宮之浦岳山頂直下)
南国イメージの屋久島ですが、雪で登山口へ向かう道が通行止めになることもあります。稜線では2m以上雪が積もる事もあります。
去年の12月2日には縄文杉ルートで霰(あられ)が降り、宮之浦岳では10cm程度の積雪が見られました。

2013年12月末の大雪(縄文杉ルート)
この冬の南日本は暖冬予報ではありますが、天気予報を確認し、しっかりとした防寒具、装備でお出かけ下さい。
11月25日現在の日の出は6:52、日の入りは17:18です。
【コース状況】
●宮之浦岳(標高1936m)
11月23日 天気:弱い雨 風:北西の弱風 登山者数:約20名
●縄文杉コース(標高600~1300m)
11月22日 天気:曇り 縄文杉デッキの気温:14℃(11:30 標高約1300m) 風:微風 登山者数:430名
●白谷雲水峡(標高600~1070m)
11月21日 天気:曇り 太鼓岩の気温:15℃(10:30 標高1050m) 風:東の風
【登山道】
(縄文杉ルート)
・縄文杉ルートでは、新しいデッキを作るための工事が進められています。工事に伴い、登山道の一部変更がありますので、現場の表示に従ってください。
既存デッキからはこれまで通り縄文杉を見ることができます。工事期間は2016年3月31日までを予定しています。
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)~荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
・12月1日より来年2月28日まで、荒川登山口までの一般車車両乗り入れが可能です。荒川登山口は駐車スペースが非常に少なく、場合によっては路上駐車をすることになります。
大型バスの乗り入れもあるため、通行の妨げにならないよう充分配慮して駐車して下さい。また積雪、凍結などの場合は車両通行止めになることもあります。
詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
・県道592号線・屋久島公園安房線は7月21日に発生した土砂崩れを撤去し、28日夕方より片側通行が可能になりました。
ヤクスギランド、紀元杉、淀川登山口へマイカーやレンタカーで向かう際はご協力お願い致します。
(縦走ルート)
・現在、新高塚避難小屋の付帯トイレは使用可能です。
・積雪、凍結、暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。積雪は数mに及ぶことがあります。
初心者の安易な入山は控えて下さい。6本爪以上のアイゼンやチェーンスパイク、ピッケル等、天気予報を確認し、必要に応じて雪山装備を準備してください。
【装備】
・標高や風雨など天候によっては体感温度は低くなります。衣類は速乾用素材、防水、防寒、防風の装備をしっかりと用意して下さい。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライトは必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
スポンサーサイト
コメントの投稿