屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2015年12月7日
担当ガイド:井手琢磨
【周辺状況】
12月に入ってからの屋久島は急に寒くなったり、かと思えば暖かさを感じたりと不安定な気候です。
先週は、縄文杉ルートで積雪が観測されたかと思えば、その後は暖かくなり、すぐに雪は溶けました。
平地では12/2の最高気温が21℃だったのが、12/6には14℃になったりと、気温差が激しいため、登山時の体温調整も難しくなっています。
ただ、その気温差のおかげか、屋久島では例年よりも紅葉が美しく見えます。
ヤクスギランドへ向かう道から見られる樹木の中には、茜色や黄色に色づいた木々があり、山に彩りを添えています。

ヤクシマオナガカエデの紅葉
残念ながら白谷雲水峡や縄文杉ルートの紅葉はほぼ終わりかけていますが、まだまだ低山帯では紅葉を楽しむことが出来ます。
また、暖かい日には、コマドリやウグイスなどの声が聴こえることもあります。
彼らも春になったと勘違いしているのでしょうか。例年は今の時期にはあまり鳴き声を聞くこともないので、声が聞こえたら嬉しく感じます。
山では、太忠岳などでコショウノキの花が咲き始めています。ほのかに甘い香りがする、白くて可愛らしい花です。
ジンチョウゲ科の低木で、通常1~4月に花を咲かせますので、今年の開花は早いと言えるでしょう。

コショウノキの花
名前の由来は、5~6月につく赤い果実に辛味があると言われており、そこからコショウノキと名付けられたそうです。
12月7日現在の日の出は7:01、日の入りは17:17です。
【コース状況】
●宮之浦岳(標高1,936m)
12月6日 天気:雨時々曇り 山頂の気温:4℃(11:30 標高約1,936m) 風:南の風 登山者数:10名
●縄文杉コース(標高600~1,300m)
12月5日 天気:晴れ後曇り 縄文杉デッキの気温:11℃(11:30 標高約1,300m) 風:無風 登山者数:約50名
●黒味岳(標高1,831m)
12月5日 天気:晴れ 山頂の気温:8℃(11:15 標高1,831m) 風:北西の微風 登山者数:2名
【登山道】
(縄文杉ルート)
・縄文杉ルートでは、新しいデッキを作るための工事が進められています。工事に伴い、登山道の一部変更がありますので、現場の表示に従ってください。
既存デッキからはこれまで通り縄文杉を見ることができます。工事期間は2016年3月31日までを予定しています。
・12月1日より来年2月29日まで、荒川登山口までの一般車車両乗り入れが可能です。荒川登山口は駐車スペースが非常に少なく、場合によっては路上駐車をすることになります。
大型バスの乗り入れもあるため、通行の妨げにならないよう充分配慮して駐車して下さい。また積雪、凍結などの場合は車両通行止めになることもあります。
詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
(縦走ルート)
・現在、新高塚避難小屋の付帯トイレは使用可能です。
・積雪、凍結、暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。積雪は数mに及ぶことがあります。
初心者の安易な入山は控えて下さい。6本爪以上のアイゼンやチェーンスパイク、ピッケル等、天気予報を確認して必要に応じた雪山装備を準備してください。
【装備】
・標高や風雨など天候によっては体感温度は低くなります。衣類は速乾用素材、防水、防寒、防風の装備をしっかりと用意して下さい。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライトは必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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