屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」です2012年10月10日
担当ガイド:伊藤仁久
【周辺状況】
■9月は週末に台風が来ることが多く、台風が通り過ぎるごとに少しずつ寒さが増してきました。
10月に入り、最低気温の平均が20度以下になってきます。登山中も休憩や食事時に陽だまりを探すようになりました。
縄文杉コースを歩いていると、樹上のヤクシマザルが落としたヤマボウシの赤い実の皮が、登山道に散らばっています。
木の下では、ご相伴にあずかろうとするのかヤクジカをよく見かけます。
そのヤクジカたちは黒く毛足の長い冬毛に衣替えを始めていました。
オスジカはメスジカよりも1ヶ月ほど早く冬毛に変り、この時期は明るい茶色の夏毛のメスジカと対照的です。
縦走ルートでは標高1600m付近からヒメウメバチソウやハナヤマツルリンドウ、ヤクシマダイモンジソウなどの屋久島の固有種が
咲いています。ヤクザサから顔をのぞかせるハナヤマツルリンドウの花は、さわやかな秋の青空を連想させてくれます。

ヒメウメバチソウ

ヤクシマダイモンジソウ

ハナヤマツルリンドウ
【コース状況】
■縄文杉コース(標高600~1300m)
10月8日 天気:雨、デッキの気温:13℃ (13:00)(標高約1,300m)、風:無風、登山者数:297名
■宮之浦岳コース
10月6日 天気:晴時々曇り 宮之浦岳山頂の気温:18℃ (12:30)(標高1,936m)、風:北東の弱い風、登山者数:50名程度
■白谷雲水峡 太鼓岩コース(標高600~1050m)
10月8日 天気:曇り一時雨、太鼓岩の気温:18℃(13:30)(標高約1,050m)、風:北東の弱い風、登山者数:437名
【登山情報】
■縄文杉ルート
※3月から11月末までの期間、町道荒川線入口~荒川登山口の区間は、車両乗り入れ規制が実施されます。
登山バスでの移動になりますのでご注意ください。
車両乗り入れ規制に関する詳しい情報はこちらで確認できます。→
http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
■縦走ルート
淀川登山口より2.5KMほどの地点で、倒木が登山道を塞いでいます。
倒木を乗り越えて進めますが、スリップにご注意ください。
【装備】
朝夕や風のある日は、肌寒く感じるようになりました。
山中では、15℃程度になり、ウィンドブレーカー、フリースなどの軽めの防寒着や手袋があると良いでしょう。
山中泊の場合は、明け方に10℃程度まで冷え込みます。十分な装備をご用意ください。
ただし、日中は汗ばむような陽気になる日もあります。こまめに衣類の調節を行ってください。
秋の日差しは強烈ですので、帽子や日焼け止めなど、日焼け対策も必要です。
山岳部では、天気予報にはなくても、雨になることがしばしばあります。
屋久島の雨は非常に激しく降ることがあり、ビニールカッパ、ポンチョでは対応できません。
濡れると低体温に陥る可能性もありますので、必ず登山用の、通気性の良いしっかりした雨具をご用意ください。
屋久島での登山は想像以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライトは必須です。
現在の屋久島の日の出時刻は6:20頃、日の入り時刻は17:50頃です。
屋久島の山は深く、日暮れが早いのでご注意ください。
屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。
装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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