屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2016年2月3日
担当ガイド:井手琢磨
【周辺状況】
先月24日から25日にかけて日本列島を襲った寒波の影響で、屋久島でも山間部では所により50cm以上の積雪が観測されました。
しかし28日以後は寒さも緩み、雨が降ったことで雪が溶けたため、2月3日現在道路は全線通行止めが解除されています。
山間部では標高1,000m以上の高所でところどころ残雪が見られ、木道などは一部凍結している箇所もあります。
登山の際には雪用のスパイクなどを準備しておくと良いかと思われます。

雪の縄文杉ルート
トレッキングをしているとコケの間に小さなかわいいオオゴカヨウオウレン(大五加葉黄連)を見つけることがあります。
オオゴカヨウオウレンは屋久島の固有種で、コケむした木や岩の上に生息しています。
例年2~3月が花期だと言われているのですが、今年は1月の上旬から山間部で咲いていました。
小指の爪よりも小さな白い花は、よくよく注意深く観察していないと見つけることができないので、見つけた時は嬉しい気持ちになります。

オオゴカヨウオウレン
寒波が去ったとはいえ、最高18℃近くまで暖かくなる日もあれば最低10℃以下に下がることもある不安定な状況が続くと予想されています。
登山を計画されている方は、防寒の準備をする際に着脱しやすい衣服にするなどして体温調整をしやすくしておきましょう。

雪の縄文杉
2月3日現在の日の出は7:08、日の入りは17:56です。
【コース状況】
●ヤクスギランド(標高1000m)
1月31日 天気:晴れ コース内の気温:10℃(12:30 標高約1000m) 風:無風 登山者数:40名
●白谷雲水峡(標高600m~1070m)
2月2日 天気:曇り 太鼓岩の気温:3℃(11:45 標高約1070m) 風:北東の風 登山者数:40名
●縄文杉コース(標高600~1300m)
2月2日 天気:曇り 縄文杉デッキの気温:0℃(12:00 標高約1300m) 風:北東の風 登山者数:約20名
【登山道】
●(縄文杉ルート)
・縄文杉ルートでは、新しいデッキを作るための工事が進められています。工事に伴い、登山道の一部変更がありますので、現場の表示に従ってください。
既存デッキからはこれまで通り縄文杉を見ることができます。工事期間は2016年3月31日までを予定しています。
・2月29日まで、荒川登山口までの一般車車両乗り入れが可能です。荒川登山口は駐車スペースが非常に少なく、場合によっては路上駐車をすることになります。
大型バスの乗り入れもあるため、通行の妨げにならないよう充分配慮して駐車して下さい。また積雪、凍結などの場合は車両通行止めになることもあります。
詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
●(縦走ルート)
・現在、新高塚避難小屋の付帯トイレは使用可能です。
・積雪、凍結、暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。積雪は数mに及ぶことがあります。
初心者の安易な入山は控えて下さい。6本爪以上のアイゼンやチェーンスパイク、ピッケル等、天気予報を確認して必要に応じた雪山装備を準備してください。
【装備】
・標高や風雨など天候によっては体感温度は低くなります。衣類は速乾用素材、防水、防寒、防風の装備をしっかりと用意して下さい。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライトは必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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