屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2016年3月9日
担当ガイド:金井日向子
【周辺状況】
ここ数日は里の気温が20℃前後となり、春の訪れを感じるようになりました。
山でも寒さを感じる事は少なくなり、快適な山歩きができます。
あたたかくなって杉も花粉を飛ばし始めたようで、目のかゆみ等、花粉症の症状が出始めています。
屋久島は雨が多いため花粉の飛散量は比較的少ないのですが、花粉症の方はしっかり対策を整えた上で山に入りましょう。
里では既に春の花が咲いています。
アオモジはソメイヨシノと同じように、新芽を出す前に花を咲かせますので、遠くからでもよく目立ちます。

アオモジの花
近づいて見ると繊細な花で、爽やかな香りもします。
近縁種のクロモジは、その爽やかな香りを生かし、小枝から爪楊枝を作ります。
オオバライチゴの花も咲き始めました。
花の真ん中にある薄緑色の毛は、メシベの集まりです。

オオバライチゴ
花が終わるとこの部分が膨らみ、甘酸っぱいキイチゴになります。
場所によっては3月末から熟した実を見る事ができるので、探して食べてみるのも良いでしょう。
植物によっては新芽が開いているものもあります。

ツワブキ
写真の左側がツワブキの新芽、右側が冬を越した葉です。
屋久島ではツワブキの事を「つわんこ」と言い、新芽を摘み取って天ぷらや佃煮にして食べます。
春が深まると、屋久島は里から一気に新緑の海に包まれます。日本一美しい自慢の新緑です。
来島した際には、是非五感をフル活用して屋久島の春を堪能してください。
3月9日現在の日の出は6:35、日の入りは18:23です。
【コース状況】
●縄文杉コース(標高600~1300m)
3月8日 天気: 縄文杉デッキの気温:12℃(12:00 標高約1300m) 風:微風 登山者数:209名
●白谷雲水峡(標高600~1070m)
3月8日 天気:晴時々雲 太鼓岩の気温:14℃(12:00 標高約1070m) 風:無風 登山者数:約200名
●モッチョム岳(標高940m)
3月8日 天気:快晴 山頂の気温:16℃(11:00 標高940m) 風:無風 登山者数:15名
【登山道】
(縄文杉ルート)
・縄文杉ルートでは、新しいデッキを作るための工事が進められています。工事に伴い、登山道の一部変更がありますので、現場の表示に従ってください。
既存デッキからはこれまで通り縄文杉を見ることができます。工事期間は2016年3月31日までを予定しています。
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)~荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
(縦走ルート)
・現在、新高塚避難小屋の付帯トイレは使用可能です。
・積雪、凍結、暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。積雪は数mに及ぶことがあります。
初心者の安易な入山は控えて下さい。6本爪以上のアイゼンやチェーンスパイク、ピッケル等、天気予報を確認して必要に応じた雪山装備を準備してください。
【装備】
・標高や風雨など天候によっては体感温度は低くなります。衣類は速乾用素材、防水、防寒、防風の装備をしっかりと用意して下さい。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライトは必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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