屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2016年5月11日
担当ガイド:大木信介
【周辺状況】
賑やかなGWが終わり、屋久島の森は静寂を取り戻しています。
GWの登山者数を見ると、例年もっとも混雑するのが5月4日ですが、今年は連休が長く、前半と後半に分散しました。
4月30日と5月4日がそれぞれ約700名(荒川口バスタクシー利用者数+縦走や白谷入山等)となりました。
今年は1000人を越える日がなく、少々寂しい数字となりました。全般として好天に恵まれましたが、移動日の5月3日が大荒れとなり、飛行機の欠航が多数でたことも影響しました。
GW終盤から再び前線が張りだし、不安定な天気が続いています。
稜線では少しずつですが、ヤクシマシャクナゲが咲きだしています。最盛期を迎えるのは5月下旬となります。奥岳の山々が最も賑わう頃です。
一方、森でも花々が交代で咲き始めています。ナナカマドやヤクシマガクウツギも盛りを迎えています。

ナナカマド

ヤクシマガクウツギ
ナナカマドは枝先に直径6~8ミリの白色の小さな5弁花を、密に複数房状につけます。小さな花の集合体は圧倒的な緑に包まれた森でもよく目立ちます。

ナナカマドの花
足元にも変化が出てきました。5月5日の縄文杉ルートでキガシラハサミムシとヤクシマルリセンチコガネにも出会えました。
キガシラハサミムシは頭が黄色いので「黄頭(キガシラ)」、そして特徴はなんといっても日本一長いこのハサミです。

キガシラハサミムシ
ルリセンチコガネは「森の宝石」と呼ばれ、初めて見る人も虫が苦手な人もとても感動すると思います。

ヤクシマルリセンチコガネ
足元の貴重な生命、踏まないように気を付けて下さい!
5月3日現在の日の出は5:26、日の入りは19:03です。
【コース状況】
●縄文杉コース(標高600~1300m)
5月10日 天気:雨時々曇 縄文杉デッキの気温:17℃(12:00 標高約1,300m) 風:南の強風 登山者数:約150名
●白谷雲水峡(標高600~1070m)
5月9日 天気:雨 太鼓岩の気温:18℃(12:30 標高1,050m) 風:南西の強風 登山者数:約300名
【登山道】
(縄文杉ルート)
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)~荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
(縦走ルート)
・現在、新高塚避難小屋の付帯トイレは使用可能です。
【装備】
・標高や風雨など天候によっては体感温度は低くなります。衣類は速乾用素材、防水、防寒、防風の装備をしっかりと用意して下さい。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライトは必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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