屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2016年5月31日
担当ガイド:金井日向子
【周辺状況】
6月になると雨の降る日が格段に増え、日差しが貴重になってきます。
梅雨入り宣言は例年だと5月31日となっているため、もう間もなくでしょう。
スコールのような激しい雨が降る事もあり、ザックカバーをしていても中が濡れることがあります。
ザックの中身をビニール袋に入れ、更にザックカバーをかける等、二重に防水対策をしておくと良いでしょう。昼食時には傘が大活躍します。
雨対策を完璧にしておけば、心置きなくしっとりと濡れて生き生きした森の木々や苔を楽しむことができます。
梅雨が近づくと、屋久島ではシャクナゲ登山の時期になります。
ヤクシマシャクナゲは標高1500m以上で多く見られ、黒味岳や宮之浦岳を目指す登山者を魅了します。

満開のヤクシマシャクナゲ
蕾は濃いピンク、咲いてからは徐々に白く変化していき、様々な色合いを楽しめます。

ヤクシマシャクナゲの蕾と花
縄文杉コースや白谷雲水峡では、登山道沿いにエゴノキの白い花が落ちており、拾って鼻を近づけるとジャスミンのような良い香りがします。

エゴノキの花
川沿いでは赤いサツキも咲き誇り、鮮やかです。
また、人家の周りの森では、夜になるとシイノトモシビタケやヒカリタケといった、光るキノコを見つけることができます。
シイノトモシビタケはスダジイの木、ヒカリタケは竹から生えてくる事が多いようです。
暗い森の中で光を放つ様は、幻想的で美しいです。

シイノトモシビタケ
梅雨時期は屋内に引きこもりがちですが、外は色鮮やかな生命で溢れています。
雨の世界をたっぷりと楽しんでいきましょう。
5月31日現在の日の出は5:16、日の入りは19:15です。
【コース状況】
●縄文杉コース(標高600~1300m)
5月31日 天気:快晴 縄文杉デッキの気温:17℃(12:00 標高約1,300m) 風:無風 登山者数:約150名
●白谷雲水峡(標高600~1070m)
5月31日 天気晴れ: 太鼓岩の気温:21℃(13:00 標高1,050m) 風:微風 登山者数:281名
【登山道】
(縄文杉ルート)
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)~荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
(縦走ルート)
・現在、新高塚避難小屋の付帯トイレは使用可能です。
・シャクナゲシーズンは山小屋が大変混雑します。屋久島の山小屋は全て無人小屋です。マナーを守ってご使用下さい。テントを持参すると安心です。
【装備】
・標高や風雨など天候によっては体感温度は低くなります。衣類は速乾用素材、防水、防寒、防風の装備をしっかりと用意して下さい。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライトは必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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