屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2016年6月6日
担当ガイド:松田浩和
【周辺状況】
5月の賑わいもひと段落し、6月に入り静かな森歩きを楽しめるシーズンとなりました。
シャクナゲ登山も終盤を迎え、宮之浦岳周辺のシャクナゲも咲きたての濃いピンク色よりも開花から時間が経った白色が目立つようになってきました。
新緑も落ち着きつつありますが、標高の高い場所ではアセビなどの新緑が鮮やかです。
サツキというと5月のイメージが強いですがまだまだ鮮やかな赤い花を楽しむことが出来ます。
サツキは渓流沿い植物と呼ばれ、低い背丈、流れに負けないしなやかな枝、流線型の葉など、渓流沿いの岩場という厳しい環境に特化した形態をもっています。

小杉谷周辺のサツキ 標高700m付近
開花の早かった場所では花期を終えた真っ白なシャクナゲの絨毯に出合えることもあります。
咲いているときはもちろんのこと散ってからも登山者を楽しませてくれます。

シャクナゲの絨毯 標高1700m付近
登山道脇にはフタリシズカがひっそりと控えめな花を咲かしています。
フタリシズカという名前ですが穂状花序(白い花が咲いている緑の枝状の部分)は2本とは限らず、写真の個体は3本の花序を出しています。
フタリシズカという和名は能楽「二人静」の静御前とその亡霊の舞姿を例えたものです。

フタリシズカ 淀川登山口付近
6月4日(土)に九州南部も梅雨入りが宣言されました。
晴れの森は「気持ちがいい」という言葉がぴったりですが、雨の森は「神秘的」という言葉がぴったりです。
お気に入りの雨具を着て屋久島らしい森歩きを楽しんでいただければと思います。
6月6日現在の日の出は5:15、日の入りは19:19です。
【コース状況】
●縄文杉コース(標高600~1300m)
6月5日 天気:晴れ 縄文杉デッキの気温:18℃(11:45 標高約1,300m) 風:微風 登山者数:約100名
●白谷雲水峡(標高600~1070m)
6月1日 天気:晴れ 太鼓岩の気温:14℃(12:15 標高1,050m) 風:微風 登山者数:174名
●宮之浦岳コース(標高1360~1936m)
6月3日 天気:晴れ 宮之浦岳の気温:18℃(11:50標高1,936m)風:微風
【登山道】
(縄文杉ルート)
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)~荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
(縦走ルート)
・現在、新高塚避難小屋の付帯トイレは使用可能です。
・シャクナゲシーズンは山小屋が大変混雑します。屋久島の山小屋は全て無人小屋です。マナーを守ってご使用下さい。テントを持参すると安心です。
【装備】
・標高や風雨など天候によっては体感温度は低くなります。衣類は速乾用素材、防水、防寒、防風の装備をしっかりと用意して下さい。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライトは必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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