屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2016年8月2日
担当ガイド:駒野英昭
【周辺状況】
7月も終わりを迎え、家族連れの姿が屋久島のあちこちで見られるようになり、夏休み、という感じがします。
今年は台風も少なく、麓では概ね晴れ、山では時々にわか雨が降ったり、昼前後だけ曇ったり、といったような天気になっています。
雨がさっと降ると、少し周りが涼しくなるのに加え、コケや木々たちが気持ちよさそうに艶やかに潤い、森が鮮やかになります。
天気が変わりやすい今の屋久島、1日で一通りの天気を体験できることも多くなるでしょう。
また、台風が少ないせいか、今年は例年よりスズメバチの姿を多く見かけますのでご注意ください。
こちらから刺激しなければ刺されることもないので、じっとしてやり過ごしましょう。
登山道脇では、小さな植物たちが目につきます。
宮之浦岳では、ヤクシマカラマツ、ヤクシマショウマ、ヤクシマノギラン、コオトギリの花が、花之江河を過ぎた辺りから斜面や登山道脇に見られます。
縄文杉コースではモウセンゴケやムラサキミミカキグサなどの食虫植物が、ひっそりと花を咲かせています。

モウセンゴケ
モウセンゴケは「コケ」と名前がついていますが立派な植物、花も咲きます。
ただし、花が咲くのは日光が当たっている間なので、なかなかモウセンゴケの花が咲いているのにお目にかかる機会は少ないと思います。
ムラサキミミカキグサは、名前の通り、耳かきのようなひょろっとした茎の上に、小さな紫色の花を咲かせます。

ムラサキミミカキグサ
細い地下茎のところどころに捕虫のうをつけ、小さな動物性プランクトンを捕らえます。
また、縄文杉や白谷雲水峡、ヤクスギランドでは、ヒメツルアリドオシランの白い花が多く咲いています。

ヒメツルアルドオシラン
小さくて目につきにくいものが多いですが、ぜひ目を凝らして、少しでも多くの花に出会ってください。
8月2日現在の日の出は5:36、日の入りは19:12です。
【コース状況】
●宮之浦岳(標高1936m)
8月2日 天気:晴のち曇 山頂の気温:24℃(12:00)風:北西の風 登山者数:45名
●縄文杉コース(標高600~1300m)
8月2日 天気:晴のち曇 縄文杉デッキの気温:23℃(11:30 標高約1,300m) 風:微風 登山者数:約260名
●白谷雲水峡(標高600~1070m)
8月1日 天気:晴 太鼓岩の気温:24℃(12:30 標高1,050m) 風:微風
【登山道】
(縄文杉ルート)
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)~荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
(縦走ルート)
・現在、新高塚避難小屋の付帯トイレは使用可能です。
【装備】
・標高や風雨など天候によっては体感温度は低くなります。衣類は速乾用素材、防水、防寒、防風の装備をしっかりと用意して下さい。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライトをご用意ください。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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