屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2016年9月21日
担当ガイド:大木信介
【周辺状況】
本年は台風の少ない年ではありますが、9月に入って3つの台風が接近しました。
19日夕方から20日朝にかけて台風16号が最接近し、大荒れとなりました。
雨台風で本土では多大な被害がでましたが、屋久島では心配していたほど降りませんでした。
しかし、この影響で19日と20日の縄文杉ルートのバスは運休し、縄文杉登山は中止となりました。
白谷雲水峡に変更した登山者も多かったものの、こちらも雨の影響で増水し、ルートが限られました。
刻一刻と増水する川、風の轟く音、叩きつける雨、自然の力を目の当たりにし、台風の力を肌で感じる貴重な機会となりました。
21日は台風一過の快晴とはなりませんでしたが、バスも通常運行し、日程変更した人たちで賑やかな一日となりました。
先日、標高600m付近で珍しくシュスランが咲いていました。

シュスラン
シュスランは関東地方以西の本州、四国、九州および朝鮮半島から中国にかけて広く分布するラン科の多年草です。
主に低山や里山の照葉樹林下や落葉樹林下などに生え、中央に白筋の入った可愛らしい葉を落ち葉の中に広げます。
夏ごろから花芽を伸ばし、晩夏から秋にかけて美しい壺形の花を数輪咲かせます。

シュスラン
鹿の食害に遭いやすいのか、前ほど見れなくなったそうです。
花が少ないこの時期、偶然の出会いに感謝です。
9月21日現在の日の出は6:05、日の入りは18:16です。
【コース状況】
●宮之浦岳(標高1,936m)
9月21日 天気:曇のち雨 山頂の気温:16℃(12:00 標高1,936m) 風:北東の風 登山者数:28名
●縄文杉コース(標高600~1,300m)
9月21日 天気:雨時々曇 縄文杉デッキの気温:18℃(11:30 標高約1,300m) 風:南の風 登山者数:370名
●白谷雲水峡(標高600~1070m)
9月20日 天気:晴れ 太鼓岩の気温:21℃(12:00 標高1,050m) 風:西の強風 登山者数:約350名
【登山道】
(縄文杉ルート)
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)~荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
(縦走ルート)
・現在、新高塚避難小屋の付帯トイレは使用可能です。
【装備】
・標高や風雨など天候によっては体感温度は低くなります。衣類は速乾用素材、防水、防寒、防風の装備をしっかりと用意して下さい。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライトをご用意ください。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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