屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2016年11月9日
担当ガイド:荒木宏介
【周辺状況】
屋久島では11月3日から7日にかけて青空が広がり、風は冷たいものの暖かい日差しが射し、お客様も大満足の気持ちの良い登山を楽しみました。
4日の黒味岳の山頂からは、いつも雲がかかりやすい宮之浦岳山頂をはっきりと望むことができました。

黒味岳山頂
屋久島の冬の気候は、北西側は大陸からの冷たい季節風を受け、悪天候の日が多くなります。逆に南側はフェーン現象で小春日和となります。
島の中央に高い山のある屋久島では、本州の日本海側気候と太平洋側気候を併せ持っていると言えます。
そのような独特の気候が、屋久島の植物の多様性を生んでいるのでしょう。
森の中でもっとも目立つのが、赤みを帯びた黄金色の幹を持つヒメシャラの木です。
ヒメシャラはこの時期から来年の春にかけて、幹の皮を自らはがすため(ヒメシャラの皮落とし)、森の中でいっそう際立ちます。
真っ赤に色づき始めたコハウチワカエデの葉やヒメシャラの皮落とし、山はそろそろ冬支度にかかり始めたようです。

ヒメシャラの皮落とし
11月7日は立冬、暦の上では冬の始まりです。屋久島でも11月に入ると、平地で最高気温が20℃以下になってきます。
森は日中も汗をかくこともなく、登山に快適な季節を迎えています。
しかし日は短くなり、17時過ぎには暗くなり始めますので、時間と気持ちに余裕を持った安全な登山を心がけましょう。
11月9日現在の日の出は6:37、日の入りは17:26です。
【コース状況】
●宮之浦岳(標高1,936m)
11月8日 天気: 山頂の気温:℃(:) 風:の風 登山者数:名
●縄文杉コース(標高600~1300m)
11月8日 天気: 縄文杉デッキの気温:℃(: 標高約1,300m) 風:の風 登山者数:名
●白谷雲水峡(標高600~1070m)
11月8日 天気:曇り 太鼓岩の気温:18℃(: 標高1,050m) 風:北東の風 登山者数:約240名
【登山道】
(縄文杉ルート)
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)~荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
(縦走ルート)
・現在、新高塚避難小屋の付帯トイレは使用可能です。
【装備】
・標高や風雨など天候によっては体感温度は低くなります。衣類は速乾用素材、防水、防寒、防風の装備をしっかりと用意して下さい。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライトをご用意ください。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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