屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2016年11月23日
担当ガイド:松田浩和
【周辺状況】
好天続きの11月の屋久島でしたが、ここ数日は雨に見舞われることが多くなっています。
雨上がりの森はみずみずしく、水滴が秋の森をしっとりと輝かせます。
季節の移り変わりの時期は、日によって寒暖の差が大きくなります。
山の中では、日中半袖で過ごしやすい日もあれば、薄手のダウンやフリースが欲しい日もあり悩ましいです。
この時期になると、標高の高い宮之浦岳などでは、冷え込みの激しい日に結氷も見られることもあります。
特に花之江河などの湿地帯の木道は霜が降りていることもあるので、早朝などスリップには注意が必要です。

花之江河
森の中を歩いていると、鹿のフンのようなコロコロと小さな実のような物がたくさん転がっているのを目にすることがあります。
これはマツ科のツガの球果(松ぼっくり)です。
松ぼっくりは年中拾うことが出来ますが、風の強まる冬には種子を飛ばした後の実が落下しやすくなり、見かける機会が多くなります。

ツガの球果
また、針葉樹の中ではツガは分解されやすいのでサルノコシカケ類が発生しやすいことも特徴です。
漢方薬としても一部で利用されることもあるサルノコシカケ類は、樹木のセルロースなどの有機物を分解した際に水を排出します。
このような水は分解水または代謝水と呼ばれ、キノコの表面に汗をかいたような水滴を付着させることがあります。

サルノコシカケ
今週の屋久島は不安定な天気になりそうです。防水、防寒対策を万全に山歩きを楽しみましょう。
11月23日現在の日の出は6:51、日の入りは17:18です。
【コース状況】
●白谷雲水峡(標高600~1070m)
11月23日 天気:曇り時々晴れ 太鼓岩の気温:12℃(13:15 標高1,050m) 風:北西の風強 登山者数:約170名
●縄文杉(標高600~1300m)
11月22日 天気:晴れ 縄文杉デッキの気温:14℃(12:00 標高1,300m) 風: 登山者数:約 150名
【登山道】
(縄文杉ルート)
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)~荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
(縦走ルート)
・現在、新高塚避難小屋の付帯トイレは使用可能です。
【装備】
・標高や風雨など天候によっては体感温度は低くなります。衣類は速乾用素材、防水、防寒、防風の装備をしっかりと用意して下さい。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライトをご用意ください。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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