屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2016年11月28日
担当ガイド:伊藤仁久
【周辺状況】
今年の11月は例年より暖かい日が続いていましたが、24日から25日にかけ寒気の影響で平地での最低気温が10.3度まで下がりました。
ただ、天候に大きな崩れはなく縄文杉では降雪は見られませんでした。
屋久島の山間部での初雪は昨年は11月27日、一昨年は12月2日でした。今年もそろそろ雪の季節を迎えそうです。

縄文杉ルートから望む宮之浦岳11月28日
いよいよ今年もあと一ヶ月。
冬の訪れを前に宮之浦岳コースではマルバヤマシグレが美しく紅葉しています。

マルバヤマシグレ
マルバヤマシグレは屋久杉に着生していることが多く、彩りの少なくなった森のなかで目を引きます。
12月に入ると登山者も少なく静寂な森になります。
静けさの中で五感を研ぎ澄まして屋久島の自然を感じ取って下さい。
12月1日から縄文杉ルートの荒川登山口まで一般車両の乗り入れが可能になります。
縄文杉登山の際はご注意下さい。
11月30日現在の日の出は6:56、日の入りは17:17です。

縄文杉11月28日
【コース状況】
●白谷雲水峡(標高600~1070m)
11月27日 天気:小雨 太鼓岩の気温:12℃(11:45 標高1,050m) 風:南東の風 登山者数:約110名
●縄文杉(標高600~1300m)
11月28日 天気:晴れ 縄文杉デッキの気温:9℃(12:30 標高1,300m) 風:北西の風 登山者数:約100名
【登山道】
(縄文杉ルート)
・12月1日より来年2月28日まで、荒川登山口までの一般車車両乗り入れが可能です。
荒川登山口は駐車スペースが非常に少なく、場合によっては路上駐車をすることになります。
大型バスの乗り入れもあるため、通行の妨げにならないよう充分配慮して駐車して下さい。
また積雪、凍結などの場合は車両通行止めになることもあります。
屋久島の道路通行規制情報はこちら→
http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
・天候により、登山道の積雪、凍結の恐れがあります。積雪は数十cmに及ぶことがあります。
スノースパイクや軽アイゼンを用意しましょう。
(縦走ルート)
・積雪、凍結、暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。積雪は数mに及ぶことがあります。
初心者の安易な入山は控えて下さい。6本爪以上のアイゼン、ピッケル等、雪山装備必携です。
【装備】
・標高1,000m以上では、雪山装備が必要です。積雪、凍結、悪天候にそなえ、縄文杉ルートでは、スパイクや軽アイゼン程度の滑り止め、、ストック等、奥岳では6本爪以上の アイゼン、ピッケル等は必要です。
万が一のビバーク用装備もお忘れなく。
・縄文杉ルートでも気温5℃以下、奥岳ルートでは0℃以下になります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、防風の装備をしっかりと用意して下さい。
・日照時間が短く、16時を過ぎると山中は薄暗くなってきます。屋久島での登山は想像以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は 必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しておりま す。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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