屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2016年12月28日
担当ガイド:松田浩和
【周辺状況】
12月半ばの寒気により雪化粧した屋久島ですが、里では気温20℃を超える日もあり、日によって寒暖の差が大きくなっています。
縄文杉ルートでは28日現在、積雪は確認されていません。
登山者数も縄文杉ルートで連日50名前後と少なく、混雑もなく快適なトレッキングを楽しめています。
西部林道ではカラスザンショウが黒い実をつけています。

カラスザンショウの実
山椒に似たカラスザンショウですが、風味が落ちること、辛みが少ないこと、毒性のあるアルカロイドを含むことにより、実を利用することはあまりありません。
しかし、独特の清涼感がある蜂蜜や新芽は、食用として好まれています。
また、昆虫好きの間では、一部のアゲハチョウが食草とすることでも有名です。
里ではツワブキの花が咲き始めています。
屋久島での山菜の代表格ツワブキは、新芽は煮物や天ぷら、炒め物に利用され大人気です。
本州では秋に花の見頃を迎えますが、温暖な屋久島の海岸部では、冬の時期に鮮やかな黄色い花を楽しむことができます。

ツワブキの花
年末年始は比較的天候が安定しそうですが、急な天候の変化に備え、防寒対策は万全に山に入りましょう。
27日の低気圧通過後、宮之浦岳などの奥岳では積雪に見舞われました。
奥岳登山を計画されている方は凍結に備え、アイゼンやスパイクを携行しましょう。
特に冬型の気圧配置により北西風が吹くと、稜線上は大荒れになることもあるのでお気を付けください。
12月28日現在の日の出は7:14、日の入りは17:27です。
【コース状況】
●白谷雲水峡(標高600~1070m)
12月28日 天気: 太鼓岩の気温:℃(13:00 標高1,050m) 風: 登山者数:約 名
●縄文杉(標高600~1300m)
12月26日 天気:曇り時々雨 縄文杉デッキの気温:11℃(11:30 標高1,300m) 風:微風 登山者数:約 30名
【登山道】
(縄文杉ルート)
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)~荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
(縦走ルート)
・現在、新高塚避難小屋の付帯トイレは使用可能です。
【装備】
・標高や風雨など天候によっては体感温度は低くなります。衣類は速乾用素材、防水、防寒、防風の装備をしっかりと用意して下さい。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライトをご用意ください。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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