屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2017年2月1日
担当ガイド:大木信介
【周辺状況】
先週まで冬型の気圧配置の影響で山間部で降雪もありましたが、急激に気温も上がり、週末は春のような陽気となりました。
縄文杉付近も気温差が大きく、29、30日は雨となり、雪もほとんど融けてしまいました。
この時期は雪か雨か、寒気の流入で変わります。冬の雨は冷たく、長い一日だと衣服も濡れることがあり、体に応えます。
衣類や手袋の予備があった方が安心です。雪の方が身体が濡れず、寒いものの負担が少ないこともあります。
屋久島登山を計画されている方は天気予報をしっかりと確認し、万全に備えてください。

1月26日 雪のウィルソン株
里ではシロハラという鳥を見かけることができます。
お腹と尾の両端が白く、秋にシベリアから渡ってきた渡り鳥です。
逃げるときに「チチチ」や「ピョピョピョ」と鳴き、屋久島では「チチッカ」とも呼ばれています。
街路樹にもなっているクロガネモチやイイギリの赤い実を食べているところをよく見かけます。

シロハラ
この時期にもなると、食べすぎて丸々と太っているものも多く、
ただでさえ丸い体つきのシロハラは飛び立ってすぐに高度を上げられません。
交通事故にも遭いやすい鳥ですので、運転はゆっくりめにお願いします。
2月1日現在の日の出は7:09、日の入りは17:55です。
【コース状況】
●縄文杉コース(標高600~1,300m)
1月26日 天気:快晴 縄文杉デッキの気温:0℃(10:30 標高約1,300m) 風:微風 登山者数:16名 積雪状況:30~40cm(縄文杉付近)
1月30日 天気:雨 縄文杉デッキの気温:8℃(11:00 標高1,300m) 風:北西の強風 登山者数:20名 積雪:0cm(縄文杉付近)
●白谷雲水峡(標高600~1,070m)
1月28日 天気:晴れ 苔むす森の気温:7℃(14:30 標高870m) 風:無風
1月30日 天気:雨のち曇り 太鼓岩:10℃(11:00 1,050m) 風:北西の強風
【登山道】
(縄文杉ルート)
・2月28日まで、荒川登山口までの一般車車両乗り入れが可能です。荒川登山口は駐車スペースが非常に少なく、場合によっては路上駐車をすることになります。大型バスの乗り入れもあるため、通行の妨げにならないよう充分配慮して駐車して下さい。
また、積雪、凍結などの場合は車両通行止めになることもあります。
屋久島の道路通行規制情報はこちら→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
・2016年12月1日~2017年3月31日の予定で、縄文杉の一部展望デッキの解体、新設工事が行われます。(縄文杉の大枝に腐朽が確認されており、落下する危険性があるため、危険予想範囲内のデッキを解体して、別の場所に新しいデッキを整備する工事等を行います)このため、一部利用制限区間が生じますが、既存のデッキからは縄文杉を見ることが出来ます。
・天候により、登山道の積雪、凍結の恐れがあります。積雪は数十㎝に及ぶことがあります。
(縦走ルート)
・積雪、凍結、暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。積雪は数mに及ぶことがあります。初心者の安易な入山は控えて下さい。
【装備】
・標高1000m以上では、雪山装備が必要です。積雪、凍結、悪天候に備え、縄文杉ルートでは、スパイクや軽アイゼン程度の滑り止め、ストック等、奥岳では6本爪以上のアイゼン、ピッケル等は必要です。
万が一のビバーク用装備もお忘れなく。
・縄文杉ルートでも気温5℃以下、奥岳ルートでは0℃以下になることがあります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、防風の装備をしっかり用意してください。
・日照時間が短く、16時を過ぎると山中は薄暗くなってきます。屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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