屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2017年2月15日
担当ガイド:駒野英昭
【周辺状況】
強い冬型の気圧配置による寒波の影響で、屋久島も山間部はかなりの積雪になりました。
凍結・積雪により、縄文杉やヤクスギランド、宮之浦岳に至る県道屋久島公園安房線が、2月9日の16:00から通行止めになりましたが、14日の15:00にはヤクスギランド、荒川登山口までの区間は解除されています。

降雪後のトロッコ道の様子

縄文杉ルートから眺めた宮之浦岳

縄文杉ルートの登山道の様子
また、白谷雲水峡に至る、白谷雲水峡宮之浦線は、2月10日の7:30から通行止めになっていましたが、2月12日の11:00に解除になっています。
ただし、標高1000m付近でも、深いところは50~60㎝程度の積雪があります。
縄文杉ルートもトレース跡はついていますが、踏み抜くと1m近く抜ける場所や、雪の斜面を横切るような場所もありますので、十分に注意して行動して下さい。
安易な入山は控え、山に入る際は、十分な雪山装備を持ってお入り下さい。
南の島である屋久島ですので、あまり雪のイメージを持たずに来島する方も多いですが、山間部は深い積雪になります。
雪が降ると見えなくなるものもありますが、シカやサル、イタチの足跡といった、普段はなかなか見ることの出来ないものが見えるようになるのも一つの良さでしょう。
足跡を見ながら、どんな生活をしているのかを想像してみるのも、また冬の楽しみ方の一つではないかと思います。
2月14日現在の日の出は6:59、日の入りは18:05です。
【コース状況】
●縄文杉コース(標高1300m)
2月15日 天気:晴 縄文杉デッキの気温:6℃(12:00) 風:無風 登山者数:36名
積雪:縄文杉周辺で70㎝、ウィルソン株で40㎝、大株歩道入口で30㎝程度
●白谷雲水峡(標高600~1070m)
2月14日 天気:曇 太鼓岩の気温:5℃(12:30 標高1050m) 風:北西の風 登山者数:100名
積雪:辻峠(標高970m)で50cm程度
【登山道】
(縄文杉ルート)
・2月28日まで、荒川登山口までの一般車車両乗り入れが可能です。荒川登山口は駐車スペースが非常に少なく、場合によっては路上駐車をすることになります。大型バスの乗り入れもあるため、通行の妨げにならないよう充分配慮して駐車して下さい。
また、積雪、凍結などの場合は車両通行止めになることもあります。
屋久島の道路通行規制情報はこちら→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
・2016年12月1日~2017年3月31日の予定で、縄文杉の一部展望デッキの解体、新設工事が行われます。(縄文杉の大枝に腐朽が確認されており、落下する危険性があるため、危険予想範囲内のデッキを解体して、別の場所に新しいデッキを整備する工事等を行います)このため、一部利用制限区間が生じますが、既存のデッキからは縄文杉を見ることが出来ます。
・天候により、登山道の積雪、凍結の恐れがあります。積雪は数十㎝に及ぶことがあります。
(縦走ルート)
・積雪、凍結、暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。積雪は数mに及ぶことがあります。初心者の安易な入山は控えて下さい。
【装備】
・標高1000m以上では、雪山装備が必要です。積雪、凍結、悪天候に備え、縄文杉ルートでは、スパイクや軽アイゼン程度の滑り止め、ストック等、奥岳では6本爪以上のアイゼン、ピッケル等は必要です。
万が一のビバーク用装備もお忘れなく。
・縄文杉ルートでも気温5℃以下、奥岳ルートでは0℃以下になることがあります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、防風の装備をしっかり用意してください。
・日照時間が短く、17時を過ぎると山中は薄暗くなってきます。屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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