屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2017年4月19日
担当ガイド:大木信介
【周辺状況】
今週は好天が続きましたが、16日から低気圧通過に伴い、再び雨となりました。
16日は飛行機も一便のみが屋久島空港に着陸し、他は全て欠航となりました。
例年だと4月は比較的安定した天候が続きますが、今年は雨が多くなっています。
雨は森の雰囲気を一変させます。幻想的になったり、瑞々しくなったり、苔はイキイキしたり、晴れた日にはない魅力がたくさんありますので、雨を存分に楽しむのも屋久島流の登山です。

霧の縄文杉
山もようやく春らしくなり、花もあちこちで咲き始めています。
白谷雲水峡の太鼓岩からは新緑とヤマザクラのピンクの美しいコントラストを楽しめます。
例年だと4月第一週にヤマザクラのピークを迎えますが、今年は寒さが長引き、ようやく満開です。

太鼓岩から新緑とヤマザクラ
縄文杉ルートのトロッコ道終点ではツクシショウジョウバカマも咲き始めました。
猩猩(しょうじょう)とは酒飲みで赤ら顔の中国の伝説上の生き物です。
花の色を喩えているそうが、屋久島のショウジョウバカマは花が白いものが多く、赤ら顔には程遠いです。
高山の矮小型がヤクシマショウジョウバカマといわれていますが、分類が難しいです。

ツクシショウジョウバカマ
他にもミヤマシキミが満開、屋久島の固有種ヒメヒサカキも葉裏にたくさんの赤い花を咲かせています。
葉裏ということで、気づかれることはほとんどありませんが、3mm程度の花は大変可愛らしいです。

ミヤマシキミ

ヒメヒサカキ
里も常緑樹の新緑真っ盛り、スダジイの花も満開です。
常緑樹の新緑は古い葉の上に鮮やかな新芽が乗り、とても立体的で力強いです。

スダジイの花

安房川河口の新緑
新緑と花たち、屋久島は一年で一番美しい季節を迎えています。
4月19日現在の日の出は5:45、日の入りは18:49です。
【コース状況】
●縄文杉コース(標高1300m)
4月17日 天気:雨 縄文杉デッキの気温:14℃(12:00) 風:南の風 登山者数:約100名
●白谷雲水峡(標高600~1070m)
4月18日 天気:晴れ 太鼓岩の気温:14℃(12:00 標高1050m) 風:無風 登山者数:約370名
【山岳部環境保全協力金について】
2017年3月より、「世界遺産屋久島 山岳部環境保全協力金」制度が始まりました。
みなさまから任意でご協力いただいた協力金は屋久島の環境保全に使われます。登山口や観光協会等での納入が可能です。
世界遺産・屋久島の環境を守るため、ご協力を宜しくお願いいたします。詳しくは下記をご覧下さい。
http://yakushima-tozan.com/
【登山道】
(縄文杉ルート)
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)~荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般者の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部保全利用協議会で確認できます。
→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら
→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
(縦走ルート)
・積雪、凍結、暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。チェーンスパイク等、天気予報を確認して必要に応じた装備を準備してください。
【装備】
・標高や風雨など天候によっては体感温度は低くなります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、防風の装備をしっかり用意してください。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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