屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2017年5月17日
担当ガイド:川原大基
【周辺状況】
5月中旬に入り、気温が高い日が多くなってきました。曇りや雨の日は湿度も高く、雨具を着ていると熱がこもりがちです。
悪天候でも熱中症の危険性はあります。登山の際は、こまめな水分補給と塩分補給を忘れないようにしましょう。
縄文杉コースのトロッコ道沿いでは、目を引く白い花が顔を出し始めました。
アジサイ科(APGⅢに基づく)のコガクウツギの変種とされる、ヤクシマガクウツギです。
白い花のようなものは実はガク片で、虫などを呼び寄せるための装飾花となっています。

ヤクシマガクウツギ
また、ヤクシマミヤマスミレが白谷雲水峡に続きトロッコ道周辺でも開花しています。
ヒメミヤマスミレの小型変種とされ、葉の中央に白線が走っています。

ヤクシマミヤマスミレ
トロッコ道終点では、珍しい植物が開花し始めています。
ユリ科のチャボシライトソウです。白い糸状の花被片が様々な方向へ伸びています。
屋久島が生息地の南限で、環境省カテゴリの絶滅危惧ⅠBに指定されている希少な植物です。
地味で目立ちませんが、屋久島の植物相の豊かさを表す貴重な植物です。

チャボシライトソウ
単調なトロッコ道、歩く際は転んでけがをしないよう足元に気を付けつつ、目を凝らしてこれらの花を探してみてください。
5月13日、沖縄と奄美地方が梅雨入りしました。例年だと一週間ほど遅れて屋久島も梅雨入りします。
屋久島は九州南部地方に位置づけされますが、本土よりも数日早く梅雨入り梅雨明けする印象です。
雨の季節に入る前に太陽を目一杯堪能しましょう。
5月17日 現在の日の出は5:22、日の入りは19:07です。
【コース状況】
●宮之浦岳(標高1936m)
5月14日 天気:晴れ 宮之浦岳の気温:9℃(9:00) 風:北西の風 登山者数:約50名
5月16日 天気:雨 宮之浦岳の気温:7℃(10:30) 風:西の風 登山者数:約40名
●縄文杉コース(標高1300m)
5月12日 天気:雨 縄文杉デッキの気温:16℃(11:30) 風:南南西の風 登山者数:約300名
●白谷雲水峡(標高600~1070m)
5月13日 天気:曇り 太鼓岩の気温:14℃(12:00 標高1050m) 風:北西の風 登山者数:約380名
【山岳部環境保全協力金について】
2017年3月より、「世界遺産屋久島 山岳部環境保全協力金」制度が始まりました。
みなさまから任意でご協力いただいた協力金は屋久島の環境保全に使われます。登山口や観光協会等での納入が可能です。
世界遺産・屋久島の環境を守るため、ご協力を宜しくお願いいたします。詳しくは下記をご覧下さい。
http://yakushima-tozan.com/
【登山道】
(縄文杉ルート)
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)~荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般者の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部保全利用協議会で確認できます。
→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら
→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
(縦走ルート)
・暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。天気予報を確認して必要に応じた装備を準備してください。
【装備】
・標高や風雨など天候によっては体感温度は低くなります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、防風の装備をしっかり用意してください。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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