屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2017年7月12日
担当ガイド:駒野英昭
【周辺状況】
7月5日の夜に出た大雨警報が、6日の昼頃に解除されて以降、屋久島には大雨警報は出ていません。
とは言え、ずっと安定しない天気が続き、短時間だけ激しい雨が降ったりすることの多い一週間でした。
気温もだいぶ高くなり、ふもとでは日中の気温が30℃を超える日が多くなってきています。
どんな天候にも対応できる服装でお出で下さい。
12日現在、九州南部に梅雨明け宣言は出ていませんが、例年、7月14日頃に出ることが多いので、そろそろ屋久島も梅雨明けでしょうか。
縄文杉コースや白谷雲水峡などの登山道を歩いていると、ヒメハルゼミの鳴き声が聞こえます。
図鑑には「ギーオ、ギーオ」と書いてありますが、合唱するため、たくさん鳴いているときは、森全体が「ワーン」と響いているような感覚を起こします。

ヒメハルゼミ抜け殻
気温と日照条件がそろえば鳴き出すので、急に騒がしくなったり、静かになったりします。
成虫の姿を確認するのは困難ですが、時々、木や杭などに幼虫の抜け殻がついています。成虫でも4㎝、抜け殻だと2㎝少々にしかなりません。
白谷雲水峡では、シライトソウの花が目立ちます。細く伸びているのは花被片で、その姿が白い糸のように見えるため、その名がついています。

シライトソウ
花の姿からは想像し辛いですが、ユリ科の植物です。

シライトソウ
また、ふもとの栗生付近の海岸には、クサトベラ(クサトベラ科)の花が咲いています。
花の半分だけ花びらがある、とても変わった形をしています。訪れることがあれば、探してみてください。

クサトベラ

クサトベラ
7月12日現在の日の出は5:24、日の入りは19:23です。
【コース状況】
●縄文杉コース(標高1300m)
7月10日 天気:曇 縄文杉デッキの気温:23℃(12:00) 風:西の風 登山者数:約230名
●白谷雲水峡(標高600~1070m)
7月10日 天気:曇 太鼓岩の気温:25℃(12:00 標高1050m) 風:西の風 登山者数:328名
【山岳部環境保全協力金について】
2017年3月より、「世界遺産屋久島 山岳部環境保全協力金」制度が始まりました。
みなさまから任意でご協力いただいた協力金は屋久島の環境保全に使われます。登山口や観光協会等での納入が可能です。
世界遺産・屋久島の環境を守るため、ご協力を宜しくお願いいたします。詳しくは下記をご覧下さい。
http://yakushima-tozan.com/
【登山道】
(縄文杉ルート)
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)~荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般者の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部保全利用協議会で確認できます。
→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら
→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
(縦走ルート)
・暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。天気予報を確認して必要に応じた装備を準備してください。
【装備】
・標高や風雨など天候によっては体感温度は低くなります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、防風の装備をしっかり用意してください。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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