屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2017年7月19日
担当ガイド:大木信介
【周辺状況】
九州南部は7月13日に梅雨明けが発表されました。平年よりも1日、去年よりも5日早い梅雨明けとなりました。
屋久島は九州本土よりも60km程南に位置するため、実質3日程度梅雨入りも梅雨明けも早い印象です。
11日頃からまとまった雨が降らず、連日厳しい暑さが続いていましたが、19日に寒冷渦の接近により、久々の雷雨となりました。
梅雨明け前後は非常に湿度の高い日が続き、山中でも連日汗だくになりました。
三連休頃は暑いものの、スッキリとした空気感に変わり、空も透き通るような青で夏本番を思わせる好天が続きました。
暑さのため、長時間の縄文杉ルートでは熱中症のような症状の登山者も見受けられます。
雨の日は気温は少々下がりますが、雨具でむれて晴れている日よりも多くの汗をかくことがあります。
水分補給は重要ですが、大量の汗で塩分を失っていますので、真水だけの補給は水中毒という症状を引き起こす可能性もあり、かえって危険な場合があります。
身体の塩分濃度も重要ですので、塩分やミネラルも行動食からしっかりと補給するように気をつけましょう。
長い登山の帰りには河原に立ち寄って足のアイシングでスッキリするのも疲労回復に有効です。

7月17日 安房川小杉谷橋下 アイシング中の登山者たち
登山中に多くのユニークな昆虫に出会うようになりました。
優雅に飛ぶオバホタル(成虫は光らない蛍です)、

オバホタル
人懐っこく近くを飛びまわるヤクシマトゲオトンボ(雄のみ名前の通り、腹部末端の方に「トゲ」があります)、

ヤクシマトゲオトンボ
王冠のようなユニークなハサミを持つキガシラハサミムシ(頭が黄色いのでキガシラ)、

キガシラハサミムシ
などなど、どれも接近しやすく撮影チャンスの多いものですので、ぜひ探してみてください。
7月19日現在の日の出は5:28、日の入りは19:20です。
【コース状況】
●縄文杉コース(標高1300m)
7月16日 天気:晴れ 縄文杉デッキの気温:23℃(12:00) 風:微風 登山者数:約650名
7月19日 天気:雨 縄文杉デッキの気温:18℃(11:00) 風:微風 登山者数:約150名
●白谷雲水峡(標高600~1050m)
7月18日 天気:快晴 太鼓岩の気温:26℃(11:00 標高1050m) 風:微風 登山者数:約300名
【山岳部環境保全協力金について】
2017年3月より、「世界遺産屋久島 山岳部環境保全協力金」制度が始まりました。
みなさまから任意でご協力いただいた協力金は屋久島の環境保全に使われます。登山口や観光協会等での納入が可能です。
世界遺産・屋久島の環境を守るため、ご協力を宜しくお願いいたします。詳しくは下記をご覧下さい。
http://yakushima-tozan.com/
【登山道】
(縄文杉ルート)
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)~荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般者の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部保全利用協議会で確認できます。
→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら
→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
(縦走ルート)
・暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。天気予報を確認して必要に応じた装備を準備してください。
【装備】
・標高や風雨など天候によっては体感温度は低くなります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、防風の装備をしっかり用意してください。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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