屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2017年9月13日
担当ガイド:井手琢磨
【周辺状況】
9月も中旬になりましたが、屋久島では依然として夏の陽気です。
寒暖の差が大きいため、朝夕は半袖だと肌寒く感じることもありますが、日中は30℃を越す強烈な日差しの日も多いです。
残暑が続きますが、植物がまだ熟していない青い実をつけていたり、秋から咲き始める花が咲いたりと屋久島の自然は着々と秋に向かって進んでいます。ふもとでは、サキシマフヨウの大輪の花が咲いていました。

サキシマフヨウの花
サキシマフヨウは鹿児島県西部の島から台湾にかけて分布する南国の花で、屋久島では秋から淡い紅色の美しい花を咲かせています。
町内でもサキシマフヨウと同じくフヨウ属であるハイビスカスが街路樹として咲き乱れており、
道行く人々の目を楽しませてくれます。
ハイビスカスは年中咲いていますが、屋久島では特に秋ごろが多いように感じられます。

ハイビスカス
また、山中ではクチベニタケという変わったキノコが地中から顔を出していました。
2cmにも満たないような小さい風船のような丸い形の先端は、口紅を塗ったような唇のようでありその名前がついたと言われています。

クチベニタケ
まだ出始めですが、熟したこのキノコを押すと、先端から胞子が煙幕のように飛び出すため、一部では人気のキノコです。
このように秋に見られる花やキノコ、果実などが少しずつ山中や里で見かけるようになりました。
しかし、いまだ日中はかなり汗ばむような陽気です。
吸湿速乾性のあるインナーを着たり、水分と塩分をこまめに取るようにしてください。
体温調節や体調管理をしっかりして秋の行楽を楽しんでください。
9月13日現在の日の出は6:01、日の入りは18:26です。
【コース状況】
●白谷雲水峡(標高1050m)
9月12日 天気:晴れ 太鼓岩の気温:21℃(12:00 標高1050m) 風:南の風 登山者数:約420名
●縄文杉コース(標高1300m)
9月12日 天気:曇り 縄文杉デッキの気温:22℃(11:30 標高1300m) 風:南東の風 登山者数:約260名
【山岳部環境保全協力金について】
2017年3月より、「世界遺産屋久島 山岳部環境保全協力金」制度が始まりました。
みなさまから任意でご協力いただいた協力金は屋久島の環境保全に使われます。登山口や観光協会等での納入が可能です。
世界遺産・屋久島の環境を守るため、ご協力を宜しくお願いいたします。詳しくは下記をご覧下さい。
http://yakushima-tozan.com/
【登山道】
(縄文杉ルート)
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)~荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部保全利用協議会で確認できます。
→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら
→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
(縦走ルート)
・暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。天気予報を確認して必要に応じた装備を準備してください。
【装備】
・標高や風雨など天候によっては体感温度は低くなります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、防風の装備をしっかり用意してください。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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