屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」です2012年12月10日
担当ガイド:駒野英昭
【周辺状況】
■冬の屋久島は、島北部は北西風が強く曇りがちで、島南部は比較的風のない穏やかな天候になる傾向があります。
12月4日の宮之浦岳では、投石平から先では霧氷が見られました。霧氷とは、樹木の表面に水蒸気や過冷却水滴が凍結してできた状態をいいます。特に宮之浦岳山頂付近は一面白い氷に覆われていて、まるで壮大な芸術品のようでした。

樹氷

投石岳周辺霧氷

宮之浦岳山頂付近霧氷
午後1時半頃からは晴れてきて、青い空に白い霧氷が映え、いっそう鮮やかでした。冬の縦走路は、経験豊富な上級者でないと歩けない難しいコースですが、歩いた先には、こういった素晴らしい景色が広がっていることもあります。
今週初めより、強い寒波の予報が出ており、12月10日の縄文杉デッキは1~2cm程度の積雪になりました。今後も積雪、凍結の恐れがありますので、これから山に入る方は、十分注意するようにしてください。
現在の屋久島の日の出時刻は7:00頃、日の入り時刻は17:15頃です。
【コース状況】
■縄文杉コース(標高600~1300m)
12月10日 天気:雪、デッキの気温:0℃ (12:30)(標高約1,300m)、風:無風、登山者数:20名程度
■白谷雲水峡 太鼓岩コース(標高600~1050m)
12月9日 天気:曇り一時小雨、太鼓岩の気温:5℃(9:50)(標高約1,050m)、風:北寄りの風強し、登山者数:60名程度
■宮之浦岳 (標高1936m)
12月4日 天気:曇りのち晴れ、山頂の気温:0℃(11:45) 風:北の風非常に強し 登山者:7名
山頂付近は霧氷で一面真っ白の世界。木道上凍結有り、ゴムスパイク着用。
【登山情報】
■縄文杉ルート
町道荒川線入口~荒川登山口の車両乗り入れ規制が解除され、荒川三叉路から荒川登山口までの車両乗り入れが可能です。
荒川登山口は駐車スペースが非常に少なく、場合によっては路上駐車をすることになります。
大型バスの乗り入れもあるため、通行の妨げにならないよう充分配慮して駐車して下さい。
コース上に凍結、積雪箇所が出てくる場合もありますので、軽アイゼンやスノースパイクなど、冬に備えた装備をして下さい。
また積雪、凍結などの場合は車両通行止めになることもあります。
屋久島の道路通行規制情報はこちら→
http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima。
※縄文杉の大枝の基部に約3m程度の長さの空洞が見つかり、大枝の落下危険防止措置として、展望デッキの
一部立ち入り制限を行っています。詳しい情報についてはこちらで確認できます。→
九州森林管理局ホームページhttp://www.rinya.maff.go.jp/kyusyu/
■縦走ルート
気温の低い日には登山道が凍結する可能性があります。12月以降は、スノースパイクやアイゼン、ストック、ピッケル等の雪山装備をご用意ください。雪山登山経験のない方の入山はお勧めできません。氷点下でのビバークの想定もしておきましょう。
稜線では体が飛ばされそうなぐらい強い風が吹くことがありますのでご注意ください。とくに投石平付近は強風の吹きやすい場所です。
【装備】
山岳部では、天気予報は晴れでも、雨になることがしばしばあります。
屋久島の雨は降り方が非常に激しくなることがよくあるため、ビニールカッパ、ポンチョでは対応できません。
必ず登山用のしっかりした雨具をご用意ください。
屋久島での登山は想像以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライトは必須です。
屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。
装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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