屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2017年11月15日
担当ガイド:川原大基
【周辺状況】
11日は冬型の気圧配置となり、北西の風が強く、最高気温は平地で21℃となりました。標高の高い地域や沢沿いのルートでは朝晩は冷え込む日が増えています。
白谷雲水峡の太鼓岩からは、森の紅葉が一望できます。

太鼓岩からの紅葉
湿度が高く、昼夜の寒暖差がそれほど激しくない屋久島ではなかなか綺麗に色付いてくれませんが、今年は秋の冷え込みもしっかりあったため、紅葉の当たり年となりました。
針葉樹や照葉樹の深緑が紅葉を際立たせ、驚くほど鮮やかです。
秋から冬にかけてヒメシャラの“皮落とし”が見られます。若いヒメシャラの樹皮は灰色ですが、ある程度成長したヒメシャラの樹皮はオレンジ色になります。
この樹皮が樹木の肥大成長に伴い脱落するのが皮落としです。屋久島では秋から冬にかけて活発になり、秋の深まりを告げる風物詩でもあります。

ヒメシャラの皮落とし
こうして毎年皮が剥がれ落ちるため、樹皮にあまり蘚苔類が着生しません。そのためヒメシャラは屋久島の中で最も美肌の木とも言われ、鮮やかに森を彩ります。
春は新緑、夏は花、秋は紅葉に皮落としと、季節によって様々な表情を見せてくれる樹木です。
この時期は天候や風向きによって気温が変動しやすく、衣服調節が難しい時期です。
登山の際は脱着が簡単な防寒着や小物を用意し、当日の気温、湿度、風向きといった様々な気候情報を参考にしましょう。
11月15日 現在の日の出は6:43、日の入りは5:20です。
【コース状況】
●宮之浦岳(標高1936m)
11月13日 天気:曇りのち雨 宮之浦岳山頂の気温:11℃(11:00 標高1936m) 風:南東の風 登山者数:24名
●縄文杉コース(標高1300m)
11月15日 天気:晴れ 縄文杉デッキの気温:11℃(11:30 標高1300m) 風:北西の微風 登山者数:131名
●白谷雲水峡(標高600~1070m)
11月14日 天気:雨のち晴れ 太鼓岩の気温:14℃(12:00 標高1050m) 風:北西の微風 登山者数:約200名
【山岳部環境保全協力金について】
2017年3月より、「世界遺産屋久島 山岳部環境保全協力金」制度が始まりました。
みなさまから任意でご協力いただいた協力金は屋久島の環境保全に使われます。登山口や観光協会等での納入が可能です。
世界遺産・屋久島の環境を守るため、ご協力を宜しくお願いいたします。詳しくは下記をご覧下さい。
http://yakushima-tozan.com/
【登山道】
(縄文杉ルート)
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)~荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般者の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部保全利用協議会で確認できます。
→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら
→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
(縦走ルート)
・暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。天気予報を確認して必要に応じた装備を準備してください。
【装備】
・標高や風雨など天候によっては体感温度は低くなります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、防風の装備をしっかり用意してください。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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