屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2017年11月29日
担当ガイド:駒野英昭
【周辺状況】
11月になり、登山者の数も落ち着いてきた屋久島ですが、11月24日は、23日の祝日と土日を挟んで連休にした人が多かったようで、縄文杉コースは400人近い方が訪れ、にぎわっていました。また、11月23日には宮之浦岳山頂で10センチ程度の積雪があり、翌24日の縄文杉コースの途中から見えた宮之浦岳は、所々雪で白くなっていたのも見られました。もう、冬がそこまで近づいています。お越しの際は、万全の準備をしてお出でください。
縄文杉コースのトロッコ道沿いや白谷雲水峡、低山地では、センリョウの実が色づいてきて目立っています。

センリョウ
マンリョウとよく混同されますが、センリョウはセンリョウ科、マンリョウはヤブコウジ科で、違う科の植物です。
センリョウは葉の上に上向きに、マンリョウは葉の下に下向きに実がつきます。
葉の鋸歯も、センリョウは尖っていて大きく、マンリョウは波打つような形になります。

センリョウ
落葉に隠れるように、タテハモドキが翅を閉じていました。
翅の表側は目玉模様の派手な色をしていますが、翅を閉じると見事な落葉模様になります。

タテハモドキ

遠目で見るとどこにいるかわからないほどですが、画像の右下、黄色い落葉の手前側に止まっています。
生物の自然の中に適応していく能力は、驚かされるばかりです。
11月29日現在の日の出は6:55、日の入りは17:17です。
【コース状況】
●黒味岳(標高1831m)
11月25日 天気:曇り 山頂の気温:7℃(12:00) 風:北東の風 登山者数:約10名 積雪:山頂でまばら
●縄文杉コース(標高1300m)
11月28日 天気:曇り 縄文杉デッキの気温:12℃(11:00) 風:無風 登山者数:90名
●白谷雲水峡(標高600~1070m)
11月28日 天気:晴れ時々曇り 太鼓岩の気温:15℃(12:30 標高1050m) 風:微風 登山者数:約140名
【山岳部環境保全協力金について】
2017年3月より、「世界遺産屋久島 山岳部環境保全協力金」制度が始まりました。
みなさまから任意でご協力いただいた協力金は屋久島の環境保全に使われます。登山口や観光協会等での納入が可能です。
世界遺産・屋久島の環境を守るため、ご協力を宜しくお願いいたします。詳しくは下記をご覧下さい。
http://yakushima-tozan.com/
【登山道】
(縄文杉ルート)
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)~荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部保全利用協議会で確認できます。
→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら
→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
・12月1日から2018年2月28日の間は、荒川三叉路~荒川登山口間の一般車の通行規制が解除されますが、道路が凍結したり、積雪の可能性もありますので、十分注意して通行するようにしてください。
(縦走ルート)
・暴風、積雪の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。天気予報を確認して必要に応じた装備を準備してください。
【装備】
・標高や風雨など天候によっては体感温度は低くなります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、防風の装備をしっかり用意してください。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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