屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2018年1月17日
担当ガイド:大木信介
【周辺状況】
先週末から全国を襲った今季最強寒波の影響で屋久島も1月11~13日まで影響を受け、海も山もおおいに荒れました。
山間部では雪となり、里から見える山々も麓近くまで雪が積もり、雪化粧となりました。

1月12日 麓まで雪化粧した里山
南国イメージの屋久島ですが、里ではあられが降ることもあります。
1月12日は平地でも雪になる寒波が屋久島まで下がっていたため、
雨かと思ったらあられが降ったりで、今回の寒波の強さを実感できました。
島の形や風向きも影響し、場所によっては里でも僅かに積もり、交通事故の原因になることもあります。
船は11日まで欠航続きで、島民や旅行者の足に影響が出ました。
欠航すると屋久島の食料や物資が滞りますので、スーパーの棚から商品が消えていきます。
標高の高い山では雪が積もり、一変して冬山の様相になります。
11日から縄文杉やヤクスギランドへ向かう県道屋久島公園安房線、
白谷雲水峡へ向かう県道白谷雲水峡宮之浦線が雪のため通行止めとなりました。

1月12日 雪の白谷雲水峡

1月12日 白谷小屋
15日に白谷雲水峡とヤクスギランドまで、16日に荒川登山口まで除雪完了で通行止めが解除されましたが、
ヤクスギランドから先は依然通行止めのままです。
11日から縄文杉ルートは6日間通行止めになりました。
オフシーズンで登山者も少ない時期ではありますが、今回のように雪によって登山が制限されることがあります。
こんな時によく登られるのが島の南部に位置する岩峰モッチョム岳です。
花崗岩の岩がそそり立つ見事な山容で、途中で樹齢3000年の万代杉にも出会えます。
とっても急な登山道を登り、山頂にいたると、大岩壁の高度感と里の風景、あとは大海原がどこまでも広がり、他に類をみない絶景が堪能できる名峰です。

絶景のモッチョム岳山頂
先週の冷え込みから一転、今週は春のような陽気となり、雪どけも一気に進みそうです。
山間部の雪はまだまだ残りますので、最低限の雪山装備はご用意のうえご来島ください。
来週は再び強烈な寒波が南下する予報となっています。
不安定な天候が続きますので、最新の予報をご確認の上お出かけください。
1月17日現在の日の出は7:15、日の入りは17:41です。
【コース状況】
●縄文杉コース(標高1300m)
1月17日 天気:晴れ 縄文杉デッキの気温:13℃(11:30 標高1300m) 風:微風 登山者数:12名 積雪:50cm(縄文杉付近)
●白谷雲水峡(標高600~1050m)
1月12日 天気:雪 白谷小屋の気温:-2℃(12:00 標高840m) 風:微風 積雪:小屋周辺で50cm
1月14日 天気:晴れ 太鼓岩の気温:5℃(12:00 標高1050m) 風:微風 積雪:太鼓岩周辺で70cm
1月16日 天気:曇り 登山口の気温:3℃(8:30 標高600m)
●ヤクスギランド(標高1000m)
1月16日 天気:曇り 登山口の気温:3℃(8:30 標高1000m) 積雪:30~50分コースで15~20cm
【山岳部環境保全協力金について】
2017年3月より、「世界遺産屋久島 山岳部環境保全協力金」制度が始まりました。
みなさまから任意でご協力いただいた協力金は屋久島の環境保全に使われます。登山口や観光協会等での納入が可能です。
世界遺産・屋久島の環境を守るため、ご協力を宜しくお願いいたします。詳しくは下記をご覧下さい。
http://yakushima-tozan.com/
【登山道】
(縄文杉ルート)
・12月1日より来年2月28日まで、荒川登山口までの一般車車両乗り入れが可能です。荒川登山口は駐車スペースが非常に少なく、場合によっては路上駐車をすることになります。
大型バスの乗り入れもあるため、通行の妨げにならないよう充分配慮して駐車して下さい。また、積雪、凍結などの場合は車両通行止めになることもあります。
・屋久杉自然館前発着の荒川登山バスは、11月30日をもちまして運行を終了しています。
12月1日から平成30年2月28日までの期間、まつばんだ交通バスの路線バスが運行します。運行区間:宮之浦~荒川登山口
詳しい運行時刻と運行状況につきましては、まつばんだ交通バス 0997-43-5000 まで直接お問い合わせください。
・屋久島の道路通行規制情報はこちら
→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
・天候により、登山道の積雪、凍結の恐れがあります。積雪は数十cmに及ぶことがあります。
(縦走ルート)
・暴風、積雪の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。天気予報を確認して必要に応じた装備を準備してください。
【装備】
・標高1000m以上では、雪山装備が必要です。積雪、凍結、悪天候に備え、縄文杉ルートでは、スパイクや軽アイゼン程度の滑り止め、ストック等、奥岳では6本爪以上のアイゼン、ピッケル等は必要です。
万が一のビバーク用装備もお忘れなく。
・縄文杉ルートでも気温5℃以下、奥岳ルートでは0℃以下になることがあります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、防風の装備をしっかり用意してください。
・日照時間が短く、16時を過ぎると山中は薄暗くなってきます。屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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