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2018年1月24日 屋久島山岳情報

屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」
2018年1月24日
担当ガイド:荒木宏介


【コース状況】

●縄文杉コース(標高1300m)
1月23日 天気:雨 縄文杉デッキの気温:7℃(11:30 標高1300m) 風:無風 登山者数:25名 積雪:なし
●白谷雲水峡(標高600~1050m)
1月22日 天気:曇り 太鼓岩の気温:8℃(13:00 標高1050m) 風:北西の強風 登山者:約60人 積雪:なし
●ヤクスギランド(標高1000m)
1月21日 天気:曇り 登山口の気温:10℃(15:00 標高1000m) 風:無風 入場者:約50人 積雪:なし


【周辺状況】

13日までの厳しい冷え込みからは一転、21日までは春のような陽気となりました。
登山道の雪どけも一気に進み、積雪の影響で通行止めになっていた車道も全面解除されました。

しかし22日屋久島上空を低気圧が通過し、また一気に寒気が下りてきて厳しい寒さが舞い戻りそうです。
週替りで気温が10℃近く変わってしまうという、落ち着かない天気がしばらく続いています。
24日昼の時点では、縄文杉に向かう登山道ではまだうっすらと雪が積もる程度、縄文杉デッキでは1、2cmの積雪です。

屋久島で人気の縄文杉ツアーは片道約11kmで、その内約8.5kmはトロッコ道の線路内側を歩きます。
長いトロッコ道の後半は板が敷かれていますが、登山口から歩き始めの約2.5kmは枕木の上を歩くため、大変歩きにくい区間です。
この枕木区間に板を敷く工事がいよいよ始まりました。
板が敷かれれば、不規則な幅の枕木に悩まされることもなく、登山者の負担がだいぶ減りそうです。

枕木の上に敷かれた板
枕木の上に敷かれた新しい板

そのトロッコ道沿いに、春の訪れを知らせてくれる小さな白い花、オオゴカヨウオウレン(大五加葉黄蓮)が咲いていました。
屋久島固有種で、特に苔の中に多くみられる白い可憐な花です。

オオゴカヨウオウレン
オオゴカヨウオウレン

屋久島の山間部では春をしらせる代表的な花の一つですが、今年は気温の変化が大きい気候の影響か、ちょっと早めの開花のようです。

また里では、すでに春が訪れたようにさくらが咲き始めてきます。冬に咲く桜、ヒカンザクラ(緋寒桜)です。
ヒガンザクラ(彼岸桜)と聞きまちがえやすいので、カンヒザクラ(寒緋桜 カンヒサクラ)とも呼ばれています。

ヒカンザクラ1
ヒカンザクラ

釣鐘状をした花がうつむき気味に咲いている姿は、どこか寒さに耐えているようにも見えます。

ヒカンザクラ2
ヒカンザクラ

1月20日の大寒を過ぎましたが、これから2月4日あたりまでが一年で最も寒い時期と言われています。
24日以降は、また強烈な寒波が南下する予報となっています。
山は再度雪になるかもしれません。雪や寒さに備え、十分な装備をしてお出でください。


1月24日現在の日の出は7:13、日の入りは17:47です。


【山岳部環境保全協力金について】

2017年3月より、「世界遺産屋久島 山岳部環境保全協力金」制度が始まりました。
みなさまから任意でご協力いただいた協力金は屋久島の環境保全に使われます。登山口や観光協会等での納入が可能です。
世界遺産・屋久島の環境を守るため、ご協力を宜しくお願いいたします。詳しくは下記をご覧下さい。

http://yakushima-tozan.com/


【登山道】

(縄文杉ルート)

・12月1日より来年2月28日まで、荒川登山口までの一般車車両乗り入れが可能です。荒川登山口は駐車スペースが非常に少なく、場合によっては路上駐車をすることになります。
大型バスの乗り入れもあるため、通行の妨げにならないよう充分配慮して駐車して下さい。また、積雪、凍結などの場合は車両通行止めになることもあります。
・屋久杉自然館前発着の荒川登山バスは、11月30日をもちまして運行を終了しています。
12月1日から平成30年2月28日までの期間、まつばんだ交通バスの路線バスが運行します。運行区間:宮之浦~荒川登山口
詳しい運行時刻と運行状況につきましては、まつばんだ交通バス 0997-43-5000 まで直接お問い合わせください。
・屋久島の道路通行規制情報はこちら
→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
・天候により、登山道の積雪、凍結の恐れがあります。積雪は数十cmに及ぶことがあります。

(縦走ルート)

・暴風、積雪の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。天気予報を確認して必要に応じた装備を準備してください。


【装備】 

・標高1000m以上では、雪山装備が必要です。積雪、凍結、悪天候に備え、縄文杉ルートでは、スパイクや軽アイゼン程度の滑り止め、ストック等、奥岳では6本爪以上のアイゼン、ピッケル等は必要です。
万が一のビバーク用装備もお忘れなく。
・縄文杉ルートでも気温5℃以下、奥岳ルートでは0℃以下になることがあります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、防風の装備をしっかり用意してください。
・日照時間が短く、16時を過ぎると山中は薄暗くなってきます。屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。


【注意】

・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。

※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。





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