屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2018年2月28日
担当ガイド:大木信介
【コース状況】
●縄文杉コース(標高1300m)
2月24日 天気:晴れ 縄文杉デッキの気温:7℃(11:30 標高1300m) 風:なし 登山者数:約80名 積雪:30cm
●白谷雲水峡(太鼓岩 標高1050m)
2月28日 天気:雨 太鼓岩の気温:12℃(11:30 標高1050m) 風:南東の強風 登山者数:約120名
【周辺状況】
日に日に暖かさがましています。春は天気が周期的に変わり、28日の夜中は春の嵐となりました。
縄文杉付近にはまだ雪が30cm程度残っていますが、雪解けが一気に進みそうです。

2月26日 トロッコ道終点付近の残雪の様子
今季は屋久島も雪が多く、稜線もまだまだ雪に覆われています。
奥岳登山を予定されている方は引き続き積雪期の装備が必要になります。
1月から始まったトロッコ道の枕木区間(荒川登山口から小杉谷までの約2.5km)に板を敷く工事も終了し、
トロッコ道8.5km全区間が板で覆われ、大変歩きやすくなりました。
とても喜ばしいことで、登山者の安全面、体力面が大幅に改善されます。

2月下旬に完成したトロッコ道の木道
2月中旬~3月頃にかけて、屋久島では雨模様の日が多く、晴天も1日ぐらいしかもたないことが多くなります。
屋久島では「木の芽流し」と呼んでいる激しい雨です。
全国的には「木の芽おこし」と呼ばれる菜種梅雨のことですが、
雨を「流し」と呼ぶ屋久島では、なんとも風流な呼び方となっています。
植物にとっては、恵みの雨となり、この雨を経て、いよいよ春本番です。
2月27日には種子島宇宙センターからH2Aロケットが打ち上げられました。
屋久島からもよく見え、見送る事ができた観光客は大変ラッキーでした。
近年宇宙開発が盛んで、年に数回打ち上げがあります。
タイミングを合わせて予定を立てるのもお勧めです。

2月27日 ロケット打ち上げ
2月28日現在の日の出は6:46、日の入りは18:15です。
【山岳部環境保全協力金について】
2017年3月より、「世界遺産屋久島 山岳部環境保全協力金」制度が始まりました。
みなさまから任意でご協力いただいた協力金は屋久島の環境保全に使われます。登山口や観光協会等での納入が可能です。
世界遺産・屋久島の環境を守るため、ご協力を宜しくお願いいたします。詳しくは下記をご覧下さい。
http://yakushima-tozan.com/
【登山道】
(縄文杉ルート)
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)~荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。
→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら
→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
(縦走ルート)
・暴風、積雪の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。天気予報を確認して必要に応じた装備を準備してください。
【装備】
・標高1000m以上では、雪山装備が必要です。積雪、凍結、悪天候に備え、奥岳登山ではチェーンスパイク程度の滑り止め、ストック等が必要です。万が一のビバーク用装備もお忘れなく。
・縄文杉ルートでも気温10℃以下、奥岳ルートでは5℃以下になることがあります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、防風の装備をしっかり用意してください。
・標高や風雨など天候によっては体感温度は低くなります。衣類は速乾用素材、防水、防寒、防風の装備をしっかりと用意して下さい。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライトは必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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