屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2018年6月13日
担当ガイド:松田浩和
【コース状況】
●縄文杉コース(標高1300m)
6月11日 天気:雨 縄文杉デッキの気温:18℃(11:00 標高1300m) 風:微風 登山者数:約80名
【周辺状況】
先週は晴れ間も多かったのですが、この一週間は梅雨らしい天気となりました。
山中では濃い霧が発生し、雲霧林の名にふさわしい幻想的な森を楽しむことができます。
6月は荒川線のシャトルバスの本数も減り、縄文杉の登山者も60~80人程度と繁忙期と比べ大変少なくなっています。
この時期は雨さえ覚悟すれば、屋久島らしい森を静かに堪能できることでしょう。
トロッコ道沿いではイワガラミやヤマボウシが咲き始めています。
イワガラミはアジサイ科のツル性植物で、名前の通り岩や立木にからみついて成長します。

トロッコ道 イワガラミ
一見ツルアジサイに似ていますが、装飾花の数が少ないのがポイントです。
ヤマボウシの白い花のように見える部分は総苞片と呼ばれ、蕾を包んでいた葉の部分にあたります。
総苞片の美しさと育てやすさから街路樹にも使われ、江戸時代には観賞用として海外に輸出もされていました。

縄文杉ルート ヤマボウシ
大株歩道入り口付近ではアオツリバナが垂れ下がっています。
アオツリバナは宮崎県、霧島連山の一部と屋久島にしか自生していない珍しい植物です。
秋の終わりごろ、大木に着生したものが淡く紅葉し樹上の森を彩ります。
花は赤紫色でかわいらしい形ををしており、ツリバナの名の通り垂れ下がっています。

トロッコ道 アオツリバナ
雨対策を万全に、無理をせずに屋久島の素晴らしい雨の森をお楽しみください。
6月13日現在の日の出は5:12、日の入りは19:24です。
【山岳部環境保全協力金について】
2017年3月より、「世界遺産屋久島 山岳部環境保全協力金」制度が始まりました。
みなさまから任意でご協力いただいた協力金は屋久島の環境保全に使われます。登山口や観光協会等での納入が可能です。
世界遺産・屋久島の環境を守るため、ご協力を宜しくお願いいたします。詳しくは下記をご覧下さい。
http://yakushima-tozan.com/
【登山道】
(縄文杉ルート)
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)から荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。
→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら
→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
(縦走ルート)
・暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。天気予報を確認して必要に応じた装備を準備してください。
【装備】
・縄文杉ルートでも気温15℃以下、奥岳ルートでは10℃以下になることがあります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、防風の装備をしっかり用意してください。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は必須です。奥岳登山時は万が一のビバーク装備をお忘れなく。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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