屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2018年6月20日
担当ガイド:川原大基
【コース状況】
●縄文杉コース(標高1300m)
6月19日 天気:雨 縄文杉デッキの気温:17℃(10:00 標高1300m) 風:南西の風 登山者数:約50名
●縄文杉コース(標高1300m)
6月20日 天気:雨 縄文杉デッキの気温:18℃(11:00 標高1300m) 風:南西の強風 登山者数:約75名
【周辺状況】
15日に発生した台風6号は、南西諸島に沿うように北上し、17日に屋久島の東の海上で温帯低気圧に変わりました。
その影響で、山岳エリアでは強い雨が降り、フェリー・高速船、飛行機では欠航や遅延が目立ちました。
台風接近時、およびその前後では波が高くなり海の便での移動は困難となることが多いです。
来島・離島でフェリーや高速船をお考えの方は、各旅客船のホームページや運営会社からの情報はこまめにチェックするようにしてください。
この時期には、ヒメシャラの白い花が落ちているのが目立ちます。
庭木としても人気のあるヒメシャラの木は、乾燥に弱く手入れが難しい印象があります。

6月20日 ヒメシャラの花
しかし、屋久島の森は膨大な量の降水により水が豊富にあるため、標高500m以上の地域ではしばしば大木となります。
深緑の森の中、鮮やかなオレンジ色の幹に目を奪われますが、足元に落ちる可愛らしい花を探してみてください。
また、ホウロクイチゴは綿のような白い花を棘のある大きな葉の下にひっそりと咲かせます。
ホウロクイチゴの花は下を向いており、ハナバチの仲間が花粉を運びやすいような構造をしています。
ハナバチ類は一つの花での滞在時間が短く、次々と花を訪れます。

6月20日 ホウロクイチゴ
上から見ると花が目立たなくなっていますが、実は効率よく花粉を運ぶための工夫となっています。
梅雨のうちに花期はほぼ終わり、初夏にはイチゴの実が熟し動物たちの食料となります。
雨が多く、天候次第では来島するのが難しい時期ですが、今しか見られない生物の営みがあります。
雨の島・屋久島で逞しく生き抜く命を探してみるのはいかがでしょうか。
6月20日現在の日の出は5:15、日の入りは19:22です。
【山岳部環境保全協力金について】
2017年3月より、「世界遺産屋久島 山岳部環境保全協力金」制度が始まりました。
みなさまから任意でご協力いただいた協力金は屋久島の環境保全に使われます。登山口や観光協会等での納入が可能です。
世界遺産・屋久島の環境を守るため、ご協力を宜しくお願いいたします。詳しくは下記をご覧下さい。
http://yakushima-tozan.com/
【登山道】
(縄文杉ルート)
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)から荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。
→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら
→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
(縦走ルート)
・暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。天気予報を確認して必要に応じた装備を準備してください。
【装備】
・縄文杉ルートでも気温15℃以下、奥岳ルートでは10℃以下になることがあります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、防風の装備をしっかり用意してください。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は必須です。奥岳登山時は万が一のビバーク装備をお忘れなく。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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