屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2018年11月01日
担当ガイド:井手 琢磨
【コース状況】
●宮之浦岳(標高1936m)
10月31日 天気:晴れ 山頂の気温:10℃(11:30 標高1936m) 風:西風 登山者数:約50名
●縄文杉コース(標高1300m)
10月31日 天気:晴れ 縄文杉デッキの気温:10℃(11:00 標高1300m) 風:北の微風 登山者数:約100名
【周辺状況】
朝夕がぐっと冷え込み、フリースや薄いダウンを着た登山者もチラホラ見かけるようになってきた屋久島です。
秋晴れのもと川原で休憩したり、宮之浦岳をはじめとした奥岳の稜線の景観を楽しんだり、今週は行楽日和となりました。
この時期は、屋久島の動物にとって恋の季節でもあります。
ヤクザルのカップルが仲睦まじく毛づくろいをし合ったり、雄のヤクシカが雌を呼ぶ悲鳴のような鳴き声がこだましてたりしています。

サルはいつもよりお尻や顔を赤く染め、雄シカは立派な角を見せつけて異性へ猛烈アピール。
そして宿った命は、お母さんのお腹の中で厳しい冬を越し、来年の春から初夏にかけて誕生します。
いっぽう植物は様々な実をつけ始めています。
お正月飾りのイメージが強いセンリョウの実が、早くも赤くなっていました。

また目線を上げると、ナナカマドも真っ赤な実をつけています。

ナナカマドの実は葉っぱが落ちた後も腐らずに残り、鳥達の冬の貴重な食料となっています。
冬になっても実が腐らないのは、ソルビン酸(ナナカマドの学名Sorbusが由来)という物質を含んでいるためです。
このように動植物は、早くも冬に向けての準備を進めています。
皆様も屋久島にお越しの際は、防寒着などの寒さ対策をしっかりして楽しまれてください。
11月1日現在の日の出は6:31、日の入りは17:30 です。
【山岳部環境保全協力金について】
2017年3月より、「世界遺産屋久島 山岳部環境保全協力金」制度が始まりました。
みなさまから任意でご協力いただいた協力金は屋久島の環境保全に使われます。登山口や観光協会等での納入が可能です。
世界遺産・屋久島の環境を守るため、ご協力を宜しくお願いいたします。詳しくは下記をご覧下さい。
http://yakushima-tozan.com/
【登山道】
(縄文杉ルート)
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)から荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。
→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら
→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
(縦走ルート)
・暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。天気予報を確認して必要に応じた装備を準備してください。
【装備】
・縄文杉ルートでも気温20℃以下、奥岳ルートでは15℃以下になることがあります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、防風の装備をしっかり用意してください。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は必須です。奥岳登山時は万が一のビバーク装備をお忘れなく。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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