屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2018年11月14日
担当ガイド:川原 大基
【コース状況】
●縄文杉コース(標高1300m)
11月13日 天気:曇りのち晴れ 縄文杉デッキの気温:13℃(11:30 標高1300m) 風:微風 登山者数:174名
●白谷太鼓岩(標高1080m)
11月13日 天気:晴れ 太鼓岩の気温:15℃(12:00 標高1080m) 風:北西の風 登山者数:約270名
【周辺状況】
屋久島では、先月から秋晴れが続き、いたるところでオオシラガゴケやアラハシラガゴケが白く乾燥しているのが見られます。
11月14日 オオシラガゴケこれらの苔は葉の中心部にしか葉緑体を持っておらず、乾燥すると著しく白く変色しますが、枯れてはいません。雨や霧により水分補給が出来れば、再び緑色に戻ります。
11月12日には一時間の最大雨量3mmのまとまった雨が降りました。からからに乾いていた森にとって恵みの雨となったようです。
10日、11日は再び秋晴れとなり、縄文杉コースでは紅葉がピークを迎えています。縄文杉コース途中の休憩場所で上を見上げると、ヒメシャラの葉が黄色く色付いていました。
11月14日 ヒメシャラの紅葉本来は赤く紅葉する木ですが、屋久島では多くのヒメシャラが黄色く色付きます。
樹木の葉は元々緑色と黄色の色素を持っていて、落葉する前に色素は分解されます。この時、緑色の色素のほうが早く分解されるため、葉が黄色に色付くのです。
また、種類によっては色素が分解されるときに赤い色素が作られるものもあります。赤い色素がより多く生成される条件は、一般的に日中と夜の気温差が大きいこと、日中に光を十分浴びてることなどがあげられます。ヒメシャラにとって、屋久島は赤く紅葉するのは難しい環境なのかもしれません。
天候や風向きによって気温が変動しやすい時期になりました。登山の際は、脱着が簡単な防寒着や小物を用意し、急な冷え込みに備えておきましょう。
11月14日現在の日の出は6:41、日の入りは17:21 です。
【山岳部環境保全協力金について】
2017年3月より、「世界遺産屋久島 山岳部環境保全協力金」制度が始まりました。
みなさまから任意でご協力いただいた協力金は屋久島の環境保全に使われます。登山口や観光協会等での納入が可能です。
世界遺産・屋久島の環境を守るため、ご協力を宜しくお願いいたします。詳しくは下記をご覧下さい。
http://yakushima-tozan.com/
【登山道】
(縄文杉ルート)
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)から荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。
→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら
→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
(縦走ルート)
・暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。天気予報を確認して必要に応じた装備を準備してください。
【装備】
・縄文杉ルートでも気温20℃以下、奥岳ルートでは15℃以下になることがあります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、防風の装備をしっかり用意してください。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は必須です。奥岳登山時は万が一のビバーク装備をお忘れなく。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
スポンサーサイト
コメントの投稿