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2018年12月05日 屋久島山岳情報

屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」
2018年12月05日
担当ガイド:川原 大基


【コース状況】

●縄文杉コース(標高1300m)
12月4日 天気:曇り時々雨 縄文杉デッキの気温:14℃(12:00 標高1300m) 風:南東の風 登山者数:15名

12月5日 天気:曇りのち雨 縄文杉デッキの気温:13℃(11:00 標高1080m) 風:微風 登山者数:149名


【周辺状況】

今週から12月に入りましたが、今年の冬は全国的に暖冬傾向となっているようです。
屋久島でも、12月3日(月)の最高気温が24℃と汗ばむ陽気が続いています。
朝晩は冷え込むため、早朝6時前に歩き出す縄文杉登山の際は、朝と日中の寒暖差が大きくなります。
厚着したまま行動していると大量の汗をかき、脱水症状を起こすこともありますので注意が必要です。

低地では、寄生植物のヤッコソウが短い花茎を伸ばす姿が見られます。

12月5日 ヤッコソウ
12月5日 ヤッコソウ

ヤッコソウはスダジイやマテバシイなどシイ類の根に寄生し、栄養をうばって生きている植物です。
光合成によって栄養を生産する必要がなく葉緑体を持っていないため、一目見ただけではキノコだと思ってしまう人も多いでしょう。

渓流沿いや西部林道には、ツワブキの仲間のカンツワブキが黄色い花を咲かせています。

12月5日 カンツワブキ
12月5日 カンツワブキ

屋久島と種子島でしか見られない植物で、ツワブキよりも葉につやがなく、鋸歯(葉の縁のギザギザ)が多いのが特徴です。
2種の間の中間的な形質を持つ個体も見られ、雑種ができることもあるようです。
様々な生物が生きる屋久島では、他種との付き合い方も様々。
個々の生き物だけでなく生き物同士の関係にも着目して、屋久島の森をお楽しみ下さい。

例年に比べて暖かい日が続きそうですが、寒気の入り込みによっては急に冷え込む可能性もあります。
ご来島の際は、事前に気象情報を確認するよう心がけてください。


12月5日現在の日の出は7:00、日の入りは17:17 です。


【山岳部環境保全協力金について】

2017年3月より、「世界遺産屋久島 山岳部環境保全協力金」制度が始まりました。
みなさまから任意でご協力いただいた協力金は屋久島の環境保全に使われます。登山口や観光協会等での納入が可能です。
世界遺産・屋久島の環境を守るため、ご協力を宜しくお願いいたします。詳しくは下記をご覧下さい。

http://yakushima-tozan.com/


【登山道】

(縄文杉ルート)

・12月1日より来年2月28日まで、荒川登山口までの一般車車両乗り入れが可能です。荒川登山口は駐車スペースが非常に少なく、場合によっては路上駐車をすることになります。
大型バスの乗り入れもあるため、通行の妨げにならないよう充分配慮して駐車して下さい。また、積雪、凍結などの場合は車両通行止めになることもあります。
・屋久杉自然館前発着の荒川登山バスは、11月30日(木)をもちまして運行を終了しています。
12月1日(金)から平成30年1月7日(日)までの期間、まつばんだ交通バスの路線バスが運行します。運行区間:宮之浦~荒川登山口
詳しい運行時刻と運行状況につきましては、まつばんだ交通バス 0997-43-5000 まで直接お問い合わせください。
・屋久島の道路通行規制情報はこちら
→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
・天候により、登山道の積雪、凍結の恐れがあります。積雪は数十㎝に及ぶことがあります。

(縦走ルート)

・暴風、積雪の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。天気予報を確認して必要に応じた装備を準備してください。


【装備】 

・標高1000m以上では、雪山装備が必要です。積雪、凍結、悪天候に備え、縄文杉ルートでは、スパイクや軽アイゼン程度の滑り止め、ストック等、奥岳では6本爪以上のアイゼン、ピッケル等は必要です。
万が一のビバーク用装備もお忘れなく。
・縄文杉ルートでも気温5℃以下、奥岳ルートでは0℃以下になることがあります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、防風の装備をしっかり用意してください。
・日照時間が短く、16時を過ぎると山中は薄暗くなってきます。屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。


【注意】

・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。

※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。

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