屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2019年5月1日
担当ガイド:川原 大基
【コース状況】
●縄文杉コース(標高1300m)
4月29日 天気:雨 縄文杉デッキの気温:16℃(11:00 標高1300m) 風:西の風 登山者数:578名
●白谷雲水峡(標高1080m)
4月30日 天気:雨 太鼓岩の気温:18℃(11:30 標高1070m) 風:西の風 登山者数:約600名
【周辺状況】
4月27日からゴールデンウィークが始まり、屋久島には観光や登山のために多くの人が訪れています。
28日は645名、29日は578名の登山者が入山しました。
5月1日 GW混雑登山道は非常に多くの人で込み合っていますので、すれ違いの際はマナーを守って安全な登山を楽しみましょう。
暖かい日が多くなり、登山道では様々な花が見られるようになってきました。
木陰に葉を生い茂らせ、小さな白い花を咲かせているのはハイノキです。
5月1日 ハイノキハイノキの名前の由来は、この木を燃やして出た灰を使って染め物の媒体としていたため、”灰の木”と名付けられました。
また、釣鐘型の小さな花が並んで咲いているのは、アセビの花です。
5月1日 アセビ漢字で”馬酔木”と書き、花にはアセボトキシンという毒が含まれます。
この花を食べた馬が中毒を起こし、酔ったような様子になることが名前の由来です。
この2種類の植物は、野生では屋久島が分布の南限となっています。
島を分布の南限地とする植物は約200種類確認されていて、
北方系植物と南方系植物の分布境界線が屋久島と奄美群島の間にあると考えられています。
島同士の間だけでなく、屋久島の中にも植生が大きく変わる要因があります。
海岸線付近はガジュマルやメヒルギ、イソマツなど亜熱帯植物が生育し、
標高500m付近までは照葉樹林、500mから1000mの間は針葉樹と広葉樹が混ざった移行帯、
1000mより高い場所はスギやモミを主とする針葉樹林、1800mを超えると森林限界を超えヤクシマダケの草原となります。
標高の違いによる気温の変化がこうした植生の違いを生み出しており、植物の垂直分布と言います。
登山の際には亜熱帯の森から高山帯まで、景観の変化も楽しみながら歩いてみて下さい。
5月1日現在の日の出は5:34、日の入りは18:54です。
【登山道】
(縄文杉ルート)
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)から荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。
→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
・屋久島の道路通行規制情報はこちら
→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
・天候により、登山道の積雪、凍結の恐れがあります。
(縦走ルート)
・暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。
天気予報を確認して必要に応じた装備を準備してください。
【装備】
・縄文杉ルートでも気温10℃以下、奥岳ルートでは5℃以下になることがあります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、防風の装備をしっかり用意してください。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は必須です。奥岳登山時は万が一のビバーク装備をお忘れなく。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191、http://www.yakushima-guide.com)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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