屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2019年7月3日
担当ガイド:川原 大基
【コース状況】
●白谷雲水峡(標高1080m)
7月1日 天気:雨 太鼓岩の気温:24℃(13:00 標高1080m) 風:西の強風 登山者数:約160名
7月2日 天気:雨 太鼓岩の気温:21℃(12:00 標高1080m) 風:微風 登山者数:約180名
【周辺状況】
先週に引き続き南海上に発生した熱帯低気圧の影響で湿った空気が流れこみ、
九州地方を中心に雨の多い天気となりました。
屋久島では先月の降水量(5月降水量573mm:気象庁発表)が、過去30年の平均(447mm)を
上回っていましたが、6月は約696mm(平均は859.5mm)と平均を下回る降水量でした。
それでもまだまだ雨の日が多く、平年だと7月14日が梅雨明けになります。
屋久島の森では、コケを代表とする雨の日ならではの姿を見せてくれる生き物がたくさんいます。
雨で濡れたコケは、葉を開きふっくらとした姿になります。
7月3日 ヒロハヒノキゴケヒノキゴケやスギゴケの仲間のように、比較的茎の長いコケは乾燥している状態と
湿っている状態では見た目の厚みが全く異なり、雨の日は見ごたえ十分です。
晴れの日は清々しい気持ちで歩くことができますが、雨の日でも神秘的な森の雰囲気を楽しむことができます。
雨の日は登山道にできた水たまりや湧水付近で、サワガニをよく見かけます。
7月3日 サワガニ赤色というイメージが強いサワガニですが、屋久島でよく見かけるのは青白い色です。
サワガニは外殻に「アスタキサンチン」という赤い色素が生成されることで赤くなります。
青白い個体は遺伝子変異などの理由で(はっきりとした原因は不明です)赤い色素を作れないようです。
梅雨前線が北上したため、雨でも気温が高い日があります。
雨が降っているとつい水を飲まなくなりがちです。
熱中症予防のためにも、こまめな水分補給と塩分補給を忘れないようにしましょう。
7月3日現在の日の出は5:19、日の入りは19:23です。
【登山道】
(縄文杉ルート)
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)から荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。
→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
屋久島の道路通行規制情報はこちら
→https://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/index
(縦走ルート)
・暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。
天気予報を確認して必要に応じた装備を準備してください。
【装備】
・縄文杉ルートでも気温10℃以下、奥岳ルートでは5℃以下になることがあります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、防風の装備をしっかり用意してください。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は必須です。奥岳登山時は万が一のビバーク装備をお忘れなく。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191、http://www.yakushima-guide.com)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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