屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2019年8月14日
担当ガイド:川原 大基
【コース状況】
●縄文杉コース(標高1300m)
8月12日 天気:雨 縄文杉デッキの気温:20℃(11:00 標高1300m) 風:北東の風 登山者数:427名
●白谷雲水峡(標高1080m)
8月13日 天気:雨 苔むす森の気温:23℃(12:00 標高860m) 風:北東の風 登山者数:約350名
【周辺状況】
台風10号は先週の予報より北西に進路を変え、屋久島は13日に強風域、14日には暴風域へ入りました。
鹿児島本土と屋久島を結ぶフェリー屋久島2、フェリーハイビスカス、高速船トッピー&ロケットなど、海上交通は欠航が相次ぎ、
13日に鹿児島からの高速船が1便のみ屋久島の宮之浦港に入港しています。
航空機は13日に全便欠航・引き返し、14日も全便欠航となりました。
台風の影響で13日から15日までの間、荒川登山口へのシャトルバスの運休が決定し、縄文杉へは行くことができません。
13日の午前中は白谷雲水峡の苔むす森までのトレッキングを楽しむことができ、霧に包まれた美しい森を堪能することができました。
8月14日 苔むす森白谷雲水峡コースでは、照葉樹林の宝石と呼ばれるヒナノシャクジョウが花を咲かせました。
「雛の錫杖」の名前は形が錫杖に似ていて小さいことが由来です。
8月14日 ヒナノシャクジョウ草丈2cmほどのごく小さな植物ですが、白谷雲水峡には毎年花を咲かせる場所があります。
真っ白な姿は苔の茂みに良く映え、比較的見つけやすい植物です。
日照時間が比較的長いため常緑の木に一年中覆われるくらい照葉樹林の地表で、
光がなくても生きていけるように進化した植物だと考えられています。
照葉樹林は本州では海岸沿いに発達する森ですが、沿岸部はどこも人間に
開発されており、この小さな植物は人間の知らぬ間に生息地を奪われてしまいました。
開発を運良く免れた森が多く残っている屋久島には、ヒナノシャクジョウのような
光合成をやめた植物の仲間が多く生き残っているといわれています。
人間と自然のかかわり方について考えながら散策するのも、屋久島の楽しみ方の一つです。
普段は見られない生き物と出会える場所での登山をお楽しみください。
8月14日現在の日の出は5:43、日の入りは19:00です。
【登山道】
(縄文杉ルート)
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)から荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。
→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
・屋久島の道路通行規制情報はこちら
→https://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/index
(縦走ルート)
・暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。
天気予報を確認して必要に応じた装備を準備してください。
【装備】
・縄文杉ルートでも気温10℃以下、奥岳ルートでは5℃以下になることがあります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、防風の装備をしっかり用意してください。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は必須です。奥岳登山時は万が一のビバーク装備をお忘れなく。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191、http://www.yakushima-guide.com)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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