屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2019年9月25日
担当ガイド:川原 大基
【コース状況】
●縄文杉コース(標高1300m)
9月24日 天気:曇り時々晴れ 縄文杉デッキの気温:19℃(11:00 標高1300m) 風:微風 登山者数:211名
●ヤクスギランド(標高1100m)
9月23日 天気:曇り 蛇紋杉付近の気温:21℃(10:00 標高1100m) 風:微風 登山者数:約80名
【周辺状況】
台風17号が東シナ海を北上し、屋久島は9月21日から22日にかけて強風域に入り、
この2日間は安全確保のため荒川登山口行きのバスが休止しました。
23日の午後からは台風一過で快晴になり、空港付近の最高気温は30℃まで上昇。
このところ秋めいてきていた気温がまた夏らしい日差しに逆戻りです。
登山道では少し早めの紅葉が始まり、黄色く色づいた葉が落ちているのを見かけます。
9月25日 ハリギリの落葉ひときわ大きな黄色い葉はウコギ科のハリギリです。
幼木の樹皮に鋭い針があり、桐に似た葉をつけるため針桐の名が付いています。
また、登山道にたまに赤い実が落ちていることがあります。
9月25日 ヤマボウシの実クワの実のような見た目をしているのは、ヤマボウシです。
ハナミズキの仲間で、この時期に美味しい実をつけます。
この2種はどちらも屋久島が分布の南限になっています。
屋久島が分布の南限となる植物は、約200種も存在します。
その多くは、かつて氷河期に陸続きとなった日本列島を南下して屋久島にたどり着き、
その後の温暖な時期を標高の高い山地へ避難することで生き延びたとされています。
そのため、低地の森は南方系の照葉樹林、山中は北方系の針葉樹林が成立し、
植生の変化を観察できるのが屋久島の森の特徴です。
この植生の変化は「植物の垂直分布」と呼ばれ、
屋久島の世界自然遺産登録の主な理由の一つとなっています。
常緑樹が多い屋久島では、常緑の深緑に落葉樹の赤や黄色い紅葉が良く映えます。
色に表れる森の変化を観察しながら、秋の登山をお楽しみください。
9月25日現在の日の出は6:07、日の入りは18:11です。
【登山道】
(縄文杉ルート)
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)から荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。
→http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/
・屋久島の道路通行規制情報はこちら
→https://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/index
(縦走ルート)
・暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。
天気予報を確認して必要に応じた装備を準備してください。
【装備】
・縄文杉ルートでも気温10℃以下、奥岳ルートでは5℃以下になることがあります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、防風の装備をしっかり用意してください。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は必須です。奥岳登山時は万が一のビバーク装備をお忘れなく。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191、http://www.yakushima-guide.com)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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