屋久島ガイド協会からの「屋久島山岳情報」2023年4月19日
担当ガイド:川原 大基
●白谷雲水峡コース
4月18日 天気:快晴 太鼓岩の気温:18℃(12:00 標高1070m) 風:微風 登山者数:約200名
●縄文杉コース
4月17日 天気:快晴 縄文杉デッキの気温:13℃(11:30 標高1300m) 風:北西の風 登山者数:134名
【周辺状況】
先週14日から15日にかけて、西から移動してきた低気圧の影響で大雨となりました。
15日正午までの24時間降水量は140mmを超え、白谷雲水峡コースでは河川の増水により立ち入り規制が敷かれました。
15日午後からは比較的安定した天気となり、17日、18日は春らしい陽気となっています。
4月からNHK朝の連続テレビ小説「らんまん」が始まりましたが、
主人公のモデルになっている牧野富太郎博士の足跡が屋久島にも残っています。
現在、標高1200m付近に花を咲かせているヒメヒサカキとアクシバモドキ、新芽が出はじめたアオツリバナがその一つです。
ヒメヒサカキはサカキの仲間で、小さな赤い花が枝の下側に付きます。
4月19日 ヒメヒサカキサカキの花と同じく独特なにおいがあり、山を歩いているとまずにおいで気づき、目を凝らすと咲いているのが見つかります。
縄文杉コースでは今が見頃で、宮之浦岳コースにはまだまだつぼみがたくさんありますので、もう少しの間花を楽しむことができそうです。
アクシバモドキはツツジ科の植物で、数は多くありませんが縄文杉コースや宮之浦岳コースに生えている植物です。
4月19日 アクシバモドキ緑色の枝の先に数枚の葉をつけ、葉の下に桃色の花が咲きます。
屋久島の固有種で、鹿児島県では絶滅危惧Ⅰ類に指定されている希少種です。
アオツリバナは屋久杉の切株などに着生する落葉低木で、白谷雲水峡や縄文杉コースでよく見られます。
4月19日 アオツリバナ7月頃の花期に向けて、現在は新芽が出そろいつぼみがついています。
3種とも1909年9月に牧野博士によって採集され、命名されました。
100年以上の学問の積み重ねの上に、数千年の屋久杉の森が守られています。
人と自然のかかわりの歴史を感じながら、屋久島の自然を楽しんでみてください。
4月19日現在の日の出は5:46、日の入りは18:47です。
【登山道】
(縄文杉ルート)
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)から荒川登山口の区間は通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。
詳しくは、荒川登山バス運行状況で確認できます。
→https://twitter.com/yakusansharyou
・屋久島の道路通行規制情報はこちら
→http://https://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/index
(縦走ルート)
・暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。
天気予報を確認して必要に応じた装備を準備してください。
【装備】
・縄文杉ルートでも気温10℃以下、奥岳ルートでは5℃以下になることがあります。
衣類は速乾性素材、防水、防寒、防風の装備をしっかり用意してください。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は必須です。
奥岳登山時は万が一のビバーク装備をお忘れなく。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。
縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。
【注意】
・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。
装備に不安のある方はご利用ください。
※その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191、http://www.yakushima-guide.com)までお気軽にお問い合わせ下さい。
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